さようなら〜2002年供用停止種牡馬外伝その30「タックスパラダイスの場合」

 JRHR日本軽種馬登録協会から2002年供用停止種牡馬一覧が公表されたのを受けて、MilkyHorse.comではニュースコンテンツ「文芸欄」の企画として、まよ氏@MiljkyHorse.comの執筆による供用停止種牡馬の馬生を簡単に振り返る外伝を連載します。

 タックスパラダイス(JPN)→2002年8月3日、死亡

 1995年生。父はデインヒル、Chief's Crown、Green Desertら、多数の名馬・名種牡馬を輩出し、 Sadler's Wells、Storm Birdと並んでNorthern Dancer系の三本柱を形成するDanzig。母はRaise a Native→Majestic Light系Wavering Monarch産駒で、カナダ2歳牝馬チャンピオンのウェバリングガール。良血の持込馬

 その良血ぶり、また、名門・伊藤雄二厩舎(栗東)所属ということでデビュー前からPOGなどで話題となる。旧3歳秋のデビュー戦では、有力馬が揃ったなかスペシャルウイークに次ぐ2番人気を集めたものの、結果は8着。

 その後しばらく休養し、旧4歳の夏の函館開催で復帰。その復帰戦を快勝して初勝利を挙げる。なお、この日の武豊騎手は自身四度目となる、1日6勝を挙げるワン・デイ・シックスを達成していた。

 続く昇級戦の500万下も連勝し、いよいよ良血開花と思われたが、その後は900万下特別を2戦して5着、11着に終わり、そのまま現役を引退した。

 さすがの良血とはいえ、この競走成績ではさすがに多くの交配相手に恵まれるわけでもなく、初年度産駒が7頭、2年目の産駒が1頭と産駒数が少ないのは仕方がないところだろうか。とはいえ、初年度産駒からは、早くも旭川競馬場でウォーフォーチュンが勝ち上がっており、また、DanzigとMajestic Light系の組合せは、父系と母系が逆とはいえ、名牝ニシノフラワーと同じ組み合わせであるだけに、Danzig系の豊かなスピードを伝える産駒が1頭でも出てくることを期待したい。