さようなら〜2002年供用停止種牡馬外伝その24「スダビートの場合」

 JRHR日本軽種馬登録協会から2002年供用停止種牡馬一覧が公表されたのを受けて、MilkyHorse.comではニュースコンテンツ「文芸欄」の企画として、まよ氏@MiljkyHorse.comの執筆による供用停止種牡馬の馬生を簡単に振り返る外伝を連載します。

 スダビート(JPN)→2002年4月29日、用途変更

 1986年生。父ハードツービートは、現役時代に仏ダービー(仏G1)をレコード勝ち、種牡馬としてはフランスで仏オークス(仏G1)やサンクルー大賞(仏G1)を勝ち、フレンチグローリーの母ともなった名牝Dunetteらを輩出して成功。輸入後も目黒記念(GII)を勝ったダイセキテイ、菊花賞(GI)2着のガクエンツービートなどコンスタントに上級ステイヤーを出した。母はブルードメア・サイヤーとして大成功したシャトーゲイ産駒のスダヤマト。近親には、現役時代にサンケイスポーツ4歳牝馬特別京都牝馬特別を勝ち、繁殖入り後オークス馬テンモンを出したレデースポートや、ステイヤーズS(GII)などを勝った個性派ステイヤーホットシークレットなどがいる。

 旧3歳夏の新潟でデビュー。デビュー戦は1番人気を裏切る2着に終わったものの、3戦目の未勝利戦を1.9秒差で圧勝。その後、年内は休養し、旧4歳春のクラシック路線には間に合わなかったものの、3戦で400万条件を勝ち上がり、さらに900万下への昇級2戦目のさくらんぼSを勝って秋の菊花賞路線への期待をつないだ。

 秋緒戦のセントライト記念(GII)でサクラホクトオーの2着に入り、菊花賞(GI)の出走権を確保。その菊本番では8番人気ながら、父ハードツービートというステイヤー血統から、距離延長に期待を抱かせた。しかし、レースではバンブービギンの8着と人気通りの着順に終わる。とはいえ、勝ち馬から0.8秒差の内容は健闘といって良いものだろう。

 続くオープン特別のディセンバーSを1分59秒5のレコードタイムで優勝。翌年以降の活躍が期待されたものの、結局このレースを最後に引退することになった。

 随所に素質の片鱗を見せたとはいえ、重賞勝ちのない実績、折からのステイヤー不遇の状況もあり、産駒頭数が非常に少ないのは致し方ないところだろう。そんななかから、南関東の重賞競走・青雲賞でゴールドヘッドの2着に入るなどしたレオトウキョウが数少ない活躍馬となっている。