さようなら〜2002年供用停止種牡馬外伝その20「サンドリーズンの場合」

 JRHR日本軽種馬登録協会から2002年供用停止種牡馬一覧が公表されたのを受けて、MilkyHorse.comではニュースコンテンツ「文芸欄」の企画として、まよ氏@MiljkyHorse.comの執筆による供用停止種牡馬の馬生を簡単に振り返る外伝を連載します。

 サンドリーズン(JPN)→2002年1月16日、用途変更

 1987年生まれ。父は新潟記念(GIII)を勝ったタニノボレロや朝日チャレンジC(GIII)勝ち馬レットイットビー等を輩出してまずまずの成功を収めたトレボロ。母は、父系は不振ながらも母父としてオグリキャップらを輩出してブルードメアサイヤーとして成功したシルバーシャークの仔トミシャーク。近親には第1回のダービーグランプリを制したトミアルコがいるという血統。

 水沢でデビューし、旧3歳時は6戦2勝と可もなく不可もない成績で、当時の東北地方の3歳総決算の東北サラブレッド3歳チャンピオンもアンダーノーザンの5着に終わった。

 しかし、明けて旧4歳になると急速に力をつけ、7月の上山で行われた東北優駿で見事優勝。勢いに乗って古馬に挑んだ南部杯ではスイフトセイダイと共に一時代を築いた名馬、グレートホープの3着に完敗したが、続く「岩手のダービー」不来方賞では一番人気に応えて堂々の勝利。さらに全国の地方競馬の強豪を迎え撃ったダービーグランプリも優勝。この年だけで「ダービー」を3勝、文句なく東北の(旧)4歳チャンピオンとなった。

 旧5歳になると東北(旧)4歳チャンピオンの実績を引っさげて勇躍JRAに移籍。移籍2戦目の中山記念(GII)では3番人気に支持されたが、ユキノサンライズの10着に大敗。さらにこの後長期の休養を余儀なくされる。

 約2年半の休養を経て道営競馬で復帰、その後も入着こそするものの勝てないレースが続いたが、旧9歳の夏、スターライト特別でなんと約5年ぶりの勝利を挙げた。

 その後は全くの不振に逆戻りしたが、結局旧10歳まで走り続け、現役時代の通算成績は54戦9勝だった。

 現役引退後は種牡馬入りしたものの、父トレボロという血統と、晩年の不振振りから、残念ながら交配相手に恵まれたとは言い難く、これといった活躍馬はこれまでのところ出せていないようだ。

 結果論とはいえ、旧5歳時からJRAに移籍したのが裏目に出た形となったのは惜しまれる。当時の岩手競馬スイフトセイダイ&グレートホープのいわゆる「SG時代」から、トウケイニセイ&モリユウプリンスの「TM時代」と大きな盛り上がりを見せていただけに、その一角にサンドリーズンが加わっていれば、また違った盛り上がりを見せていたのではないだろうか。