さようなら〜2002年供用停止種牡馬外伝その15「グロウの場合」

 JRHR日本軽種馬登録協会から2002年供用停止種牡馬一覧が公表されたのを受けて、MilkyHorse.comではニュースコンテンツ「文芸欄」の企画として、まよ氏@MiljkyHorse.comの執筆による供用停止種牡馬の馬生を簡単に振り返る外伝を連載します。

 グロウ[GIow(USA)]→2002年4月19日、死亡

 1983年生。父は20世紀を代表する大種牡馬Northern Dancer、母はBuckpasser産駒のGIisk。GIisk自身は3勝馬に過ぎないが、祖母のRegal GIeamは米3歳牝馬チャンピオンで、また近親には名種牡馬Caerleon、輸入種牡馬ヴィジョン、スキャンなど活躍馬が目白押しの良血である。

 現役時代はセクレタリアトS(米GI)2着、アーリントンクラシック(米GI)2着と、GIは勝ち切れなかったものの、サラナクS(米GII)で名馬Maniraを破る大金星を挙げている。通算成績は19戦4勝だが、着外がわずか5回という堅実振りだった。

 種牡馬として輸入されてからの成績は、ファンタジーS(GIII)2着のグロウリボン、スーパーダートダービー(統一GII)2着のナナヨーウォリアーを出したものの、全体に淡泊な産駒が多く今ひとつの成績だった。

 しかし、平地3勝のランドパワーが障害に転向するや、休みつつのローテーションでもトントン拍子に勝ち上がると、2000年暮れの中山大障害(J・GI)ではついに、同年春の中山グランドジャンプ(J・GI)優勝馬ゴーカイを完封。父グロウと鞍上の金折騎手にGIの栄光をもたらした。