さようなら〜2002年供用停止種牡馬外伝その10「オースミシャダイの場合」

 JRHR日本軽種馬登録協会から2002年供用停止種牡馬一覧が公表されたのを受けて、MilkyHorse.comではニュースコンテンツ「文芸欄」の企画として、まよ氏@MiljkyHorse.comの執筆による供用停止種牡馬の馬生を簡単に振り返る外伝を連載します。

 オースミシャダイ(JPN)→2002年10月8日、用途変更、2002年12月27日死亡

 父リアルシャダイ初期の代表産駒で、重巧者・荒れ馬場が大得意のパワー型ステイヤー

 ダートで2勝を挙げ、毎日杯(GIII)5着をステップに臨んだ皐月賞(GI)では16番人気と当然の人気薄ながら、不良馬場の中をスイスイ走って4着の大健闘を見せる。勝ち馬はドクタースパート。続く京都4歳特別(GIII)でも重馬場を味方に2着に入りオープン入りするが、その後は苦戦が続き日本ダービー(GI)が12着、菊花賞(GI)は11着に終わる。

 明けて旧5歳になると、阪神大賞典日経賞(やや重)とGIIを連勝し、ステイヤーとして一皮剥けた感があったが、4番人気と穴人気となった春の天皇賞(GI)では、菊花賞スーパークリークの壁が厚く6着に敗れた。旧5歳秋は重馬場のドンカスターS(OP)を勝ったのみだったが、良馬場の有馬記念(GI)ではオグリキャップの引退レースの激走の中、渋く5着に入線してみせた。

 旧6歳時も現役を続行。良馬場の日経新春杯(GII)6着、やや重の目黒記念(GII)3着から春の天皇賞(GI)に臨むと、馬場の荒れたインコースをしぶとく伸びて、3着と大健闘した。

 現役時代の通算成績は32戦5勝。うちダートが2勝、芝のやや重と重が1勝づつと、やはりパワータイプのステイヤーだったようだ。

 種牡馬入りしてからも、オーナー山路秀則氏がその産駒を所有し続け、特にナリタホマレダービーグランプリ(統一GI)を制して父の果たせなかったGI勝ちを成し遂げている。

 父リアルシャダイ種牡馬として大成功したわりには後継が心許ないだけに、残された産駒にさらなる希望を託したいところだったのだが…。