[金沢]第3回オータムスプリントカップ|優勝:ケンゴウザン|父:パークリージェント|生産:新冠町・的場牧場

 9月19日に金沢で行われた東海・北陸・近畿交流の短距離重賞、オータムスプリントカップは、単勝4番人気のケンゴウザン(牡6歳)[渡辺壮騎手、松原正文厩舎(金沢)]が、好位追走から4角手前で先頭に立ち、そのまま抜け出して優勝した。勝ちタイムは1:28:9。

 【Keiba.co.jp地方競馬総合サイト】 [北陸四県畜産会長賞・北陸・東海・近畿交流・3歳以上:金沢・ダート1400m:定量・晴・良]

 昨秋にJRA未勝利から園田に移籍し、以降14戦8勝2着3回と好調の父トレジャーアイランド産駒の上がり馬イブキミーティアーが、道中最後方追走から直線一気に追い込んで3馬身差の2着。昨年のサラブレッドヤングチャンピオン勝ち馬で、百万石賞2着の父グランドオペラ産駒キタノオペラは、地元代表の期待を受けて2番人気に推され、中団追走から4角で前に取り付いたものの、直線伸びきれずに3着。園田から遠征してきたのじぎく賞2着の父マイネルラヴ産駒コスモプロムナードは、中団追走から伸びきれずに4着。読売レディス杯を勝ってここに臨み、単勝1.9倍と断然の一番人気に推された父パラダイスクリーク産駒ロイヤルセランガーは、スタートからハナを切ったものの、勝負所で一杯となり5着。

 以下、姫路チャレンジカップ5着の父シルヴァーエンディング産駒マイネルレがリアは、中団追走から流れ込みの6着。JRAからの移籍2戦目となったエイシンシャイアンは、後方侭の7着。笠松から遠征してきたくろゆり賞勝ち馬の父エブロス産駒オグリスキーは、果敢に先行したものの早々に一杯となり最下位の9着に沈んだ。

 勝ったケンゴウザンは、父が地方競馬のサイアーランキング上位の常連のパークリージェント、母がドリームファミリー、母の父が1982年の日本ダービー馬で、種牡馬としても1989年の菊花賞(GI)勝ち馬版ブー日銀らを輩出して成功したバンブーアトラス。全姉にJRA3勝のドリームシンデレラがいるという血統構成。的場均元騎手(現調教師)の実家としてお馴染みの北海道・新冠町の的場牧場の生産で、馬主は2002年、03年の金沢競馬の最優秀アラブとなったスーパーベルガーや、2003年、04年の金沢競馬の最優秀サラとなったホシオーなどで知られる畑中政雄氏。3歳の3月にJRA境征勝厩舎(美浦)からデビューし、5戦目で初勝利。デビュー以来11戦連続で掲示板を確保するなど、条件戦で堅実に活躍をしていたが、昨秋から6戦連続2桁着順になるなど頭打ちとなってきたため、この夏に金沢の松原正文厩舎に移籍。転入後はいきなり3連勝したが、重賞初挑戦となった前走のイヌワシ賞では人気を裏切る4着に終わり、ここに雪辱を期していた。

 ケンゴウザンは6歳にして待望の重賞初制覇。今回の相手関係や、JRA1000万下に在籍していた頃の成績から、さすがにホシオーほどの期待をかけるのは現状では酷と思われるが、父パークリージェントという血統から明らかに地方のダートは合っているはず。この勢いで金沢競馬を背負って立つ存在になってもらいたいものである。(文責:ま)