[大井]第16回トゥインクルレディー賞(南関東G2)|優勝:コウエイソフィア|父:フォーティーナイナー|生産:鹿屋市・伊東政清牧場

 9月14日、大井で行われた南関東限定の牝馬重賞トゥインクルレディー賞は、8番人気の伏兵コウエイソフィア(牝5歳)[戸崎圭太騎手、高橋三郎厩舎(大井)]が、スタートからハナを切り、そのまま逃げ切って優勝した。勝ちタイムは1:39:8。鞍上の戸崎圭太騎手はデビュー8年目で嬉しい重賞初制覇となった。

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 レースは、好発からコウエイソフィアがハナを切り、JRA500万下からこの夏に転入後4連勝中の父エイシンワシントン産駒の上がり馬エイシンカッパーは控えて2番手。昨年のTCKディスタフ2着の父トウケイニセイ産駒ドリームサラが先団の内。昨年のこのレース3着からロジータ記念を制し、ここは内田博幸騎手騎乗で一番人気に推された父ジェネラス産駒アイチャンルックと、JRAからの転入初戦となった前走のスパーキングレディカップ(統一GIII)で5着と健闘したベルモントパティが中団からの競馬となる。

 道中はコウエイソフィアのマイペースの競馬となり、直線を向いてもコウエイソフィアは抜群の手応えから後続を引き離すと、直線追いこんだセイエイシェーン、エトワールフルーヴ、ベルモントパティの追撃を凌いで逃げ切った。

 2着にはセイエイシェーン、3着にエトワールフルーヴが入り、ベルモントパティは4着。先行策から流れ込んだドリームサラが5着。人気を集めたアイチャンルックは直線の伸びがなく7着。2番手追走のエイシンカッパーは直線一杯となり8着。昨年の浦和の桜花賞を制した父ヒシアリダー産駒カネマサヴィーナスは、後方待機も末脚不発で10着。昨秋に名古屋から転入後、大井では5連勝中の父トーヨーレインボー産駒の上がり馬ジーエスレインボーは、中団待機も直線失速して14着に終わった。

 勝ったコウエイソフィアは、父が人気種牡馬のフォーティーナイナー、母がダンツビューティー(母父ホリスキー)で、半姉に1998年の小倉3歳S(GIII)を制したコウエイロマン(父マークオブディスティンクション)、叔父に1993年のセントライト記念(GII)を制したラガーチャンピオンがいるという血統構成。鹿児島県・鹿屋市の伊東政清氏の生産で、馬主は(有)ジャスティス。2歳の7月にJRA橋口弘次郎厩舎(栗東)からデビューし、折り返しの新馬で初勝利。続く九州産馬限定のひまわり賞(OP)で3着と健闘し、その後は中野渡清一厩舎(美浦)への移籍を挟みながら1勝を追加し、12戦2勝の成績で昨秋に大井の高橋三郎厩舎に移籍。転入2戦目から2連勝したものの、その後は重賞に挑戦したことなどもあって大敗続き。5歳となった今期は、4月にB1特別を勝ったものの、続く準重賞のファーストレディー賞は人気を裏切る8着と大敗。その後は一息入れ、8月の準重賞を一叩きしてここに臨んでいた。

 コウエイソフィアは一叩きされてそれなりに良化。もともとスピードには定評があった馬で、今回のように単騎マイペースで行かせてもらえればこれくらい走ってもおかしくはない。牡馬相手となると常識的には展開が厳しいだろうが、今回のような恵まれた展開になることがあれば、牝馬限定なら統一重賞も含め再度の重賞制覇のチャンスもあるだろう。

 セイエイシェーン、エトワールフルーヴは、今回は軽ハンデをフルに生かしての追い込み。重賞級でも通用するかは今回だけではなんともいえないか。ベルモントパティは前走の好走で人気になったが、大井が初コースということも考えればこんなものか。気性的に難しい面もあるし、JRA時代の実績で人気先行になるだろうが、しばらくはアテにならないと考えた方が良さそう。

 ドリームサラは一時期スランプに陥っていたが、本来の能力からすればこれくらい走って当然の馬。まだ復調途上の感もあるが、なんとか悲願の重賞制覇を狙いたいところ。人気のアイチャンルックは、距離不足もあるのかもしれないが、それでも昨年は3着まできているわけだし、ちょっと走らなさ過ぎ。下見ではデキもよく見えたのだが。エイシンカッパーは行くのか控えるのかはっきりせず、終始リズムを欠いてのチグハグな走り。デキはよく見えただけにもったいなかった。今期勝ち星を伸ばして売り出し中の坂井英光騎手、羽田盃でのサウンドイモンもそうだったが、どうも重賞になるとチグハグな騎乗が目立つ感。ここが一つの壁なのかもしれないが、乗り越えてもらわないと困るというものだ。(文責:ま)