[川崎]第34回戸塚記念(南関東G3)|優勝:ブルーワレンダー|父:ワレンダー|生産:早来町・橋本牧場

 9月7日に川崎競馬場で行われた3歳重賞、戸塚記念は、単勝3番人気のブルーワレンダー(牡3歳)[的場文男騎手、足立勝久厩舎(川崎)]が、スタートからハナを切ってマイペースの逃げを打ち、直線独走して圧勝した。勝ちタイムは2:14:2。

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 レースは、ブルーワレンダーがハナを切り、鞍上の的場文男騎手がガッチリ抑えてスローに落とす展開。昨年のサンライズカップ2着の父ヤマニンゼファー産駒ルパンやデビュー以来8戦3勝2着2回3着3回の父テンビー産駒ラックランあたりが先団につけ、戸塚記念トライアルの芙蓉賞を勝って1番人気に推されたダイナマイトリジイ、九州ダービー栄城賞の勝ち馬で南関東移籍2戦目の前走、黒潮盃で3着と好走した2番人気の父デュラブ産駒ダンシングスキーは後方からの競馬となる。道中はひたすら淡々としたペースで流れ、勝負所でようやくダンシングスキーが進出を図るものの、楽なペースで先行していた先行勢もあわせてスパート。直線を向くと、余裕たっぷりに追い出されたブルーワレンダーはそのまま独走し、7馬身差で逃げ切った。

 ブルーバードカップ5着の父ミシックトライブ産駒コスモメンツェルが、11番人気ながら好位追走から内目を衝いてうまく抜け出し、2着を確保。ダンシングスキーは直線もしぶとく伸びたものの、道中の位置取りが後ろ過ぎで、さらに1 1/2馬身差の3着。馬連が11,290円、三連単が139,650円の大波乱となった。

 以下、先行策から流れ込んだルパンが4着。条件戦を2連勝してここに臨んだ父ラストタイクーン産駒の上がり馬レッドバイオリンは、後方待機からじりじり伸びて5着。人気を集めたダイナマイトリジイは、後方追走から直線差を詰めたものの6着に終わった。

 勝ったブルーワレンダーは、父が昨年の新種牡馬ワレンダー、母がアーデルサラ(母父ロイヤルスキー)という血統構成。今年の東京湾カップ勝ち馬ドランゴンシャンハイや、今年の東京シティ盃テレビ埼玉杯を制したブルーローレンスらを輩出している北海道・早来町の★橋本牧場の生産で、馬主は黛大介氏。昨年の10月に川崎でデビューし、6戦目で初勝利。勝ち上がりに時間を要したが、その後は条件戦を6戦4勝と順調に勝ちあがってここに臨んでいた。

 ブルーワレンダーは、ややイレ気味だったものの上々の仕上がり。絶好枠からハナを切り、この不良馬場でスローペースの逃げとあっては、逃げ切ってくださいといわんばかりの競馬だった。それだけにこの着差は正直鵜呑みにし難いところ。力をつけているのは事実だが、まずは次を見てみないと、一線級相手で通じるかは正直分からない。

 コスモメンツェルは、距離延長、展開に加え有力馬の凡走にも助けられた感じ。前走の黒潮盃の内容から、これで重賞クラスに目処と見るのは早計だろう。逆にダンシングスキーは完全に鞍上の内田博之騎手の作戦ミス。この馬場で的場文男騎手の逃げが明らかなのに後ろからいっては勝負になろうはずがない。デキが良かっただけにもったいないことをした。ただ、条件が揃えば南関東限定重賞ではそのうちチャンスもありそうだ。ルパンは展開が向いてこれでは現状力不足。人気を集めたダイナマイトリジイは下見でイレ込んでいたように、現状気性に課題があるようだ。鞍上の石崎騎手もそのあたりを意識してジックリ折り合いに専念せざるを得ず、今回の結果はまあ仕方がないところか。このあたりが成長してくれば、素質はありそうなだけに変わってくる余地はあるように思う。(文責:ま)