[中央]第25回小倉2歳S(GIII)|優勝:アルーリングボイス|父:フレンチデピュティ|生産:白老町・白老ファーム

 9月4日小倉競馬場で行われた2歳重賞、小倉2歳S(GIII)は、単勝2番人気のアルーリングボイス(牝2歳)[武豊騎手、野村彰彦厩舎(栗東)]が、スタートからハナを切り、直線で外に持ち出してそのまま押し切った。勝ちタイムは1:09.1。

 【JRA日本中央競馬会】 [2歳限定:小倉・芝1200m:馬齢・小雨・良]

 好位追走から直線外を回って差を詰めたフェニックス賞2着馬セントルイスガールは、ハナ差及ばずの2着。一番人気に推されたトーホウアモーレは、先行策も直線伸びを欠いて3着まで。父キングヘイロー産駒で13番人気の伏兵ゴウゴウキリシマが後方追走から直線追い込んで4着。

 以下、父キャプテンスティーヴ産駒のショウナンサリーレが後方から差を詰めて6着。父タイキシャトル産駒のツアーデフォースは、先行策も勝負所で手応えが怪しくなり7着。父サニーブライアン産駒のサンアントニオは、後方侭の11着。安藤勝己騎手騎乗で4番人気のグランプリシリウスは、先行策も早々に一杯となり13着に沈んだ。

 勝ったアルーリングボイスは、父が昨年の新種牡馬フレンチデピュティ、母が1999年のこのレースの勝ち馬アルーリングアクト(母父End Sweep)という血統構成。北海道・白老町白老ファームの生産で、馬主はサンデーレーシング。7月の阪神開催でデビューし、新馬戦2着の後2戦目の小倉開催で初勝利。ここも連勝して見事に母仔制覇を達成した。

 アルーリングボイスの勝利は、今回に関しては武豊騎手の絶妙のコース取りに負う所が非常に大きいといえるだろう。今後距離が伸びてどうかという問題もあるし、母もこのレースを制して以降は成長力を欠いていいところがなかったように、今後の成長という点でも懸念が残る。いずれにしても次走がひとまずの試金石となりそうだ。

 セントルイスガールは、よく差してきたし今回に関しては武豊騎手に上手くやられただけ。一本調子のスピード馬ではなく差してこられるだけに、少なくとも2歳戦のうちは堅実なレースができそうだ。あとは父Silver Hawkでどこまで距離延長と今後の成長力を秘めているかだろう。母系からはいかにも早熟の印象を受けるだけにそのあたりがどうかだ。