[盛岡]第33回一條記念みちのく大賞典|優勝:トニージェント|父:パークリージェント|生産:門別町・滝本健二牧場

 6月5日に盛岡競馬場で行われた岩手競馬の上半期のチャンピオン決定戦、みちのく大賞典は、単勝1.2倍と圧倒的な一番人気に推されたトニージェント(牡8歳)[村上忍騎手、村上実厩舎(水沢)]が、後方追走から勝負所で一気に捲り、直線の競り合いをアタマ差制して優勝した。勝ちタイムは2:05:9。勝ったトニージェントは、昨年に続くみちのく大賞典連覇を飾ると共に、7月18日のマーキュリーカップ(統一GIII)への優先出走権を獲得した。

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 レースは、揃ったスタートから今期転厩した船橋からの遠征馬で2003年のダイヤモンドカップ勝ち馬のフルグラトル、JRA500万下から今期岩手に転入し、ここまで2着1着と好調の父サクラローレル産駒ハヤブサ、2003年の不来方賞を制した父グランドオペラ産駒グランドピアノの先行争いから、ハヤブサがハナを切る展開に。グランドピアノ、フルグラトルが続く先行集団となり、昨年のこのレース2着のシルクディヴァインが好位を追走。圧倒的な一番人気に推されたトニージェントは中団やや後ろからの競馬となる。

 勝負所にかかるとトニージェントが早くも進出を開始して先行勢を一気に捲りにかかり、これをマークするように昨年の桐花賞を2着した父エアダブリン産駒エアウィードと、昨年夏から暮れにかけて10勝を挙げた父ザグレブ産駒の上がり馬マイネルレアールも進出していく。

 直線を向くと、逃げていたハヤブサは一杯となり、早くもトニージェントが先頭に。これにエアウィードマイネルレアールが襲い掛かって3頭の叩き合いとなったが、最後は底力の差を見せたトニージェントがアタマ差振り切って優勝した。

 エアウィードは良く食い下がったものの2着。マイネルレアールはゴール前脱落してさらに1馬身差の3着。あとは6馬身差離され、中団追走から直線差を詰めた古豪マンボツイストが4着。逃げたハヤブサは5着。グランドピアノは勝負所で一杯の8着。フルグラトルは早々に一杯となりブービーの11着に沈んだ。

 勝ったトニージェントは、父が地方競馬のリーディングの常連のパークリージェント、母がタキノトニー(母父ハビトニー)という血統構成。スイフトセイダイと共に岩手競馬で一時代を築いたグレートホープなどを輩出している、北海道・門別町の滝本健二氏の生産で、馬主は千葉浩氏。3歳時に不来方賞を制し、ダービーグランプリ(統一GI)でも3着と健闘。5歳の暮れに桐花賞、トウケイニセイ記念を連勝し、6歳時からは岩手の古馬のエースとして活躍。昨季までに桐花賞、トウケイニセイ記念の三連覇を達成。8歳となった今期は、佐賀記念(統一GIII)、名古屋大賞典(統一GIII)でそれぞれ5着と健闘し、前走シアンモア記念を2着してここに臨んでいた。

 トニージェントは、8歳となった今期も全く衰えを見せない活躍ぶりで、今期も岩手の古馬のエースとしての活躍が期待できそうだ。さすがに能力的な上積みは期待できないが、なんとか地元のマーキュリーカップ(統一GIII)あたりで悲願の統一重賞制覇を達成してもらいたいところだ。

 2着のエアウィードは相変わらずの詰めの甘さだが、堅実に走り続けているし、トニージェントとの比較から、統一GIIIクラスの相手ならそこそこ頑張れそうな感じはある。今後も堅実な活躍に期待したい。マイネルレアールは、今回は展開に恵まれた面もあるだろうが、やはり力をつけてきているのだろう。一線級に抜け出せばかなりの底力を発揮する父ザグレブ産駒だけに、今後ともさらなる成長を期待したい。