[福山]第16回ローゼンホーマ記念|優勝:スイグン|父:ホーエイヒロボーイ|生産:門別町・中山巌牧場

 1986年の福山アラブ三冠を制したほか、同年の楠賞全日本アラブ優駿、1987年の全日本アラブ大賞典を制し、引退レースとなった1988年の福山菊花賞で3着と破れるまでデビュー以来40戦連続連対の記録を残した福山競馬の歴史的名馬ローゼンホーマを記念して行われるローゼンホーマ記念は、単勝1.5倍と断然の一番人気に推されたスイグン(牡5歳)[片桐正雪騎手、千同武治厩舎(福山)]が、好位追走から直線で抜け出して優勝した。勝ちタイムは1:59:8。2着に最低人気のモナクラムセス、3着にも人気薄のアポロセンスイが入り、三連単は79,820円の波乱となった。

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 レースは、昨年の瀬戸内賞勝ち馬アポロセンスイがハナを切り、昨年のこのレース3着の快速牝馬ラピッドリーランは控えて2番手という展開。人気のスイグンは好位からの競馬となる。

 直線は、4角で一杯となったラピッドリーランを尻目にアポロセンスイが逃げ込みを図ろうとするが、スイグンは直線半ばでこれを捕らえて先頭に立ち、後続に3馬身差をつけて優勝した。

 接戦となった2着争いは、懸命に粘るアポロセンスイを中団追走から直線馬群を割って伸びた昨年の中京スポーツ賞勝ち馬モナクラムセスが捉え、ハナ差の3着にアポロセンスイ、さらにアタマ差の4着に中団追走から直線外を追い込んだ昨年のキングカップ勝ち馬ヤスキノショウキが入った。控える競馬となったラピッドリーランは、4角で一杯となり5着に終わった。

 以下、昨年の福山ダービー馬タッカーワシュウが後方から追い上げて6着。ここへきて4連勝と好調の上がり馬キタキコウは、ここは相手が強かったか後方儘の7着。昨年のこのレース2着のユキノホマレは、後方追走も末脚不発で8着。昨年の福山菊花賞勝ち馬フェストクインシーは、好位追走も勝負所で一杯となり9着。昨年の黒百合賞スポーツニッポン杯勝ち馬モナクカバキチは後方儘の10着に終わった。

 勝ったスイグンは、父が2002年の楠賞全日本アラブ優駿勝ち馬チョウヨームサシなどを輩出しているホーエイヒロボーイ、母エイランスイセイ(母父スイセイガバナー)で、全兄に1999年のタマツバキ記念などを制して同年のNARグランプリアラブ系最優秀古馬に選出されたエイランボーイがいるという血統構成。北海道・門別町の中山巌氏の生産で、馬主は村上俊信氏。2歳の6月にデビューして2戦目で初勝利。3歳春まではあまり目立たない存在だったが、楠賞全日本アラブ優駿で逃げ粘って2位入線(進路妨害で失格)した頃から力を付け始め、秋は鞆の浦賞、全日本アラブグランプリを連勝して福山の最優秀アラブ馬に選出された。4歳となった昨年は、西日本アラブ大賞典、セイユウ記念全日本アラブグランプリ、タマツバキ記念全日本アラブ大賞典を制してNARグランプリアラブ系最優秀古馬に選出された。今期は、緒戦の福山大賞典でメイユウオライオンの2着に敗れたものの、続くエフエム福山BINGO賞でメイユウオライオンに雪辱。今回はそれ以来のレースだった。