[名古屋]第28回名古屋大賞典(統一GIII)|優勝:クーリンガー|父:フォーティーナイナー|生産:浦河町・浦河日成牧場

 3月2日に名古屋競馬場で行われた名古屋大賞典(統一GIII)は、単勝一番人気に推された昨年のこのレースの勝ち馬クーリンガー(牡6歳)[和田竜二騎手、岩元市三厩舎(栗東)]が、好位追走から徐々に進出し、直線の競り合いを制して優勝し、連覇を達成した。勝ちタイムは2:01:5。

 【Keiba.co.jp地方競馬総合サイト】 [中日新聞杯・4歳以上:名古屋・ダート1900m:別定・晴・良]

 TCK女王盃(統一GIII)など牝馬限定重賞6勝のレマーズガールが、直線内から伸びて1/2馬身差の2着。2番人気に推された昨年の群馬記念(統一GIII)勝ち馬ストロングブラッドは、さらにアタマ差の3着まで。

 地方勢では桐花賞を制し、佐賀記念(統一GIII)5着からここに転戦した岩手の古豪トニージェントが5着に入るのが精一杯。地元勢はマイル争覇を勝ってここに望んだ昨年の全日本サラブレッドカップ(統一GIII)2着馬ヨシノイチバンボシが6着に入ったのが最高。以下、名古屋大賞典トライアルの梅見月杯を勝ってここに臨んだストロングライフが7着、昨年の名古屋優駿(統一GII)勝ち馬タカラアジュディが8着、一昨年のこのレースを制し、昨年も2着と好走したマルカセンリョウブービーの11着と大敗した。

 勝ったクーリンガーは、父が人気種牡馬フォーティーナイナー、母が1989年のラスヴァージネスS(米GI)勝ち馬のクールアライヴァル(母父Relaunch)で、全姉に1999年の葵S(OP)勝ち馬クールネージュがいるという血統構成。北海道・浦河町の浦河日成牧場の生産で、馬主は林進氏。3歳1月の京都開催でデビューし、3戦目で初勝利。3歳春に昇竜S(OP)を制し、秋のサラブレッドチャレンジカップ(統一GIII)で重賞初制覇。その後も統一重賞を中心にGIIIクラスで堅実な活躍を見せ、5歳となった昨年は佐賀記念名古屋大賞典と重賞を連覇。暮れには東京大賞典(統一GI)で3着と健闘した。6歳となった今期は、平安S(GIII)5着、佐賀記念を2着してここに臨んでいた。

 クーリンガーは、このメンバーが相手なら能力が一枚上手だったということ。6歳ながら昨年の暮れに東京大賞典で3着と健闘したように、まだまだ能力の衰えは見せていない。今期も地方の砂の深いダートを中心に活躍が期待できそうだし、条件さえ整えば大舞台での一発も期待できるかもしれない。

 2着のレマーズガールは、本来右回りの方がいいということなのだろう。今回はいかにも相手関係に恵まれたという感は否めないが、右回りのGIIIクラスなら相手次第で牡馬相手でもある程度勝負になりそうだ。

 ストロングブラッドはここへ来て復調気配を見せているが、牝馬レマーズガールに負けるようではちょっと情けない。これまでの実績が示すように、GIIIクラスはいつでも勝てる能力は持っているが、ややアテにならないところがあるようだ。

 地方勢ではトニージェントはまあ能力通りといったところか。期待された地元のヨシノイチバンボシはちょっとガッカリ。地元戦でこれでは先が思いやられるが、距離が長かったという可能性はありそうだ。1600m以下の距離で今一度見直してみたいところ。タカラアジュディマルカセンリョウはまず状態の立て直しが先決だろう。