第22回フェブラリーS(GI)直前展望―MilkyHorse.com本紙による分析と展開

 今年のJRAのGI戦線開幕を告げるフェブラリーS(GI)が目前に迫ってきた。今年は、目下日本国内のダート路線No.1と目される船橋アジュディミツオーこそドバイ遠征に備えて回避したものの、実績馬、上がり馬とも強力なメンバーが揃い、実に楽しみな一戦となった。

 勝ち馬候補が五指に余るメンバーだが、中心には多少捻って◎パーソナルラッシュを推してみたい。前走の東京大賞典(統一GI)では大出遅れをしでかした挙句9着と味噌をつけてしまったが、昨秋のパフォーマンスはBCクラシック(米GI)6着も含めて素晴らしいものばかり。気性的に多少アテにならない面はあるが、まともに走ればこのメンバー相手でも突き抜けるだけの能力を持っているはず。

 強力なライバルとなるのは、やはり○メイショウボーラーだろう。ダート路線に転向してのこの2戦の内容がとにかく圧倒的。確かに過去のこのレースの傾向からは、距離延長、逃げ脚質ともにマイナスというデータが出ているが、前走の根岸S(GIII)の内容は、そうした不安を補って余りあるだけのものがあるのではなかろうか。配当面の妙味も考えて2番手に落としたが、もちろんこの馬がちぎってしまう可能性も十分あるだろう。

 三番手は近走堅実な▲ユートピアを推したい。一時期はスランプに陥っていたが、ブリンカーをつけるようになってからは内容が安定。左回りのマイル戦はベストの条件といえるだけに、ここも確実に上位を賑わしそうだ。追っての味にやや欠ける面があるだけに、勝ちきるには多少展開の助けも必要となりそうだが、うまく流れに乗れればそのまま抜け出す可能性もありそうだ。

 一発の期待は△シーキングザダイヤと△ピットファイターシーキングザダイヤは、昨秋にダート路線に転向してからの充実振りが素晴らしい。前走の川崎記念(統一GI)も、距離が長いと思われる中しぶとく食い下がった内容は好感が持てる。やや淡白な印象のある父Storm Cat産駒ということと、鞍上のペリエ騎手が今期不調(しかも先週はタケデンノキボーコイントスと2回も暴走している)というのが心配だが、うまく流れに乗れれば一発があってもおかしくなさそう。一方、ピットファイターはダートではそこを見せていないのが魅力。前走の平安S(GIII)は11着と大敗したが、これは休み明けに加えて終始外を回る展開で息切れしたものと敗因ははっきりしている。二走前に武蔵野S(GIII)を快勝しているだけに、コース変わりで一変があってもおかしくなさそうだ。

 実績上位の△アドマイヤドン、△タイムパラドックスももちろん侮れない馬ではあるのだが、アドマイヤドンは昨年のパフォーマンスが明らかに4歳時より落ちていることが否めないし、レースぶりにズブさが出てきているだけに今回も前を捉えきれないシーンが濃厚ではないか。思い切った先行策か、もしくは前崩れの展開になるといったズブさを補ってくれる要素がないと勝ち負けまではどうかという気がする。タイムパラドックスはやはり若干距離不足だろう。昨年6着のときより力をつけていることから、上位を賑わす可能性は大だが、こちらも勝ち負けするには展開の助けが必要であるように思う。ならば、今回人気薄が予想される△トップオブワールドの方が配当面で妙味が期待できるのではないだろうか。(文責:ま)