[中央]第42回アルゼンチン共和国杯(GII)|優勝:レニングラード|父:トニービン|生産:早来町・ノーザンファーム

 秋の府中開催の名物ハンデ重賞、アルゼンチン共和国杯(GII)は、単勝2番人気のレニングラード(牡5歳)[横山典弘騎手、音無秀孝厩舎(栗東)]が、後方追走から直線外目を一気に伸びて差し切り、優勝した。勝ちタイムは2:33.8。8番人気の伏兵テンジンムサシが2着に入り、3着に3番人気のスーパージーン。一番人気に推されたグランスポジションは10着に沈み、三連単は44,660円の波乱となった。

 【JRA日本中央競馬会】 [3歳以上:東京・芝2500m:ハンデ・晴・良]

 レースは、伏兵のニシノサブライムがスローペースで逃げ、終始一団となって進む展開。勝負は完全に上がりの瞬発力勝負となり、レニングラードが外から一気に差しきった。

 道中最後方待機から直線一気に追い込んだテンジンムサシが2着。新潟記念(GIII)勝ち馬スーパージーンは、2番手追走から早めに先頭に立ったものの、極端な瞬発力勝負では分が悪く、切れ負けしての3着。

 オープン特別を2連勝中の昨年のこのレース4着馬ハッピールックは、中団追走も勝負所で置かれてしまい、最後はジワジワ伸びたものの8着。条件戦を3連勝してここに臨んだ上がり馬のグランスポジションは、後方追走も直線も伸びず10着に終わった。

 勝ったレニングラードは、父が名種牡馬トニービン、母がJRA3勝のブリリアントベリー(母父ノーザンテースト)という血統構成。半弟にラジオたんぱ賞(GIII)2着のカンパニー(父ミラクルアドマイヤ)がいる。北海道・早来町ノーザンファームの生産で、馬主は「アドマイヤ」の冠号で知られる近藤利一氏の妻の英子さん。2歳11月の京都開催でデビューし、2戦目で初勝利。3歳時は、ラジオたんぱ賞(GIII)を2着。その後、脚部不安で長期休養を余儀なくされたが、この夏から本格化し、佐渡特別を勝って臨んだ新潟記念(GIII)で2着に入ると、続く前走の京都大賞典(GII)でも3着と健闘していた。

 レニングラードは、スローペースの瞬発力勝負をギリギリまで矯めて爆発させる横山典弘騎手お得意のパターンに持ち込んで快勝。形の上では格上挑戦とはいえ、これまで戦ってきた相手関係からすれば、これくらいは走って当然といえるだろう。父トニービン産駒らしく府中コースも合うようだ。次走はジャパンカップ(国際GI)とのことだが、今回-12kgとキッチリ絞ってきて、輸送を挟んでの中2週。しかも騎手も乗り替わりとなると、さすがに勝ち負けまでは厳しいか。ただ、5歳とはいえまだ数を使っていなし、来期以降も活躍は期待できるだろう。