笠松競馬存廃問題、岐阜県と岐南町・笠松町に温度差

 経営難により存続が危ぶまれている公営笠松競馬について、主催団体を構成する岐阜県と、岐南町笠松町との間で対応に温度差があることが伝えられている。

 岐南町笠松町が、2005年度も経営改善の努力を続けるべきとの考えを示しているのに対し、岐阜県は、2004年度末での廃止も視野に入れながら、年内にも両町との協議を始める方針だという。

 笠松競馬は、岐阜県岐南町笠松町三者で構成する岐阜県地方競馬組合が運営している。地方自治法は、構成団体が組合を解散、あるいは離脱するには、構成団体すべての議会の承認が必要と規定しているため、笠松競馬の廃止には三者の合意が必要になる。

 笠松競馬は、岐阜県地方競馬組合が設立された1970年度から、1992年度までに、岐阜県に約192億円、笠松町に約33億円、岐南町に約19億円の収益配分金を計上。岐阜県が得た収益金は、畜産振興や社会福祉などの財源となったほか、市町村振興補助金の財源ともなってきた。

 こうした経緯もあり、岐南町笠松町は、これまで笠松競馬が財政に貢献してきたことは無視できない上、競馬開催に代わる地域活性策がない以上、税金を投入してでも競馬を開催するべきであるとして、2005年度以降の開催に強い意欲を示す一方、改正競馬法にもとづいて、民間企業に競馬の実務を委託するなどの方法により、経営改善を図るべきとの考えを示しているようだ。

 笠松競馬の存廃をめぐっては、岐阜県の第三者機関である「笠松競馬経営問題検討委員会」(委員長=金城俊夫岐阜大名誉教授)が、今年9月に速やかに廃止すべきとの中間報告をまとめている。笠松競馬は、1993年度から11年連続で単年度赤字となっており、これまでは積み立ててきた基金を拠出して赤字を埋めてきた。しかし1993年度末に約57億円あった基金の残額は2003年度末で約5億6000万円となっている。2004年度も赤字は確実の見通しで、2005年度に開催を行うには、公的資金の投入が必要となる見通しだという。

 これについて、岐阜県地方競馬組合の管理者を務める棚橋普副知事は、税金投入の選択肢はないとしており、10月29日に全国から約7万4000人分の署名とともに関係者から存続の要望を受けた梶原拓知事も、競馬の開催は赤字が出ないのが前提という見解を述べている。

 岐阜県は、年内にもまとまる笠松競馬経営問題検討委員会の最終答申をもとに、岐南町笠松町と存廃問題についての協議に入る方針という。一方、岐南町笠松町は、町議会も経営改善への努力を続けるよう求める要望書を県に提出するなど、存続を強く求めているようだ。【毎日新聞岐阜版】