岩手県競馬組合、民間出身の柴田哲事務局長が副管理者に昇格か

 経営改善を目指す岩手県競馬組合(管理者=増田寛也岩手県知事)で、石川誠常勤副管理者が任期途中で辞任し、民間出身の柴田哲事務局長が副管理者に昇格する見通しであると報じられている。記事によれば、増田知事が10月27日の同組合の定例議会で提案する見通しであるという。実質的に岩手県競馬組合の経営のトップに当たる常勤副管理者は、これまで県職員のOBが務めてきており、柴田氏の起用で経営改革を本格的に推進しようという狙いがあるようだ。

 柴田氏は、2004年の1月まで三井鉱山の常務を務め、そこで経営再建計画を推進した手腕を買われて、この9月に岩手県競馬組合の事務局長に就任。同組合の経営改革案の作成を進めている。

 先ごろ公表された岩手県競馬組合の経営改革基本方針では、2007年度までに21億円のコスト削減を目指し、2006年度までに経常収支の均衡を目指すこと、2016年度末までに累積赤字を解消することが打ち出されている。

 岩手県競馬組合の副管理者は3人で構成されている。うち2人は、構成団体の盛岡市水沢市の両市長が非常勤副管理者として務め、常勤管理者が事実上の経営トップとして同組合を運営している。これまでは県職員の幹部クラスを退職したものが同職を務め、現常勤副管理者の石川氏は、1999年に岩手県の副出納長を退職後、同組合の総務部長に就任し、2003年の4月に副管理者に昇任していた。通常、任期は4年で、任期を半分以上残しての退任となる見通しだ。

 今回の人事により、岩手県競馬組合は完全に柴田哲氏が経営の主導権を握り、これによって民間の視点からの経営改革を進めるとともに、今後難航も予想される、経営改善に必要な経費削減を断行する体制が整うものと期待される。【岩手日報】