[大井]第38回東京盃(統一GII・南関東G2)|優勝:マイネルセレクト|父:フォーティーナイナー|生産:三石町・加野牧場

 11月3日に行われるJBCスプリント(統一GI)の前哨戦、東京盃(統一GII)は、一番人気に推されたマイネルセレクト(牡5歳)[武豊騎手、中村均厩舎(栗東)]が、中団追走から直線楽々と差し切って優勝した。勝ちタイムは1:10:9。

 【Keiba.co.jp地方競馬総合サイト】 [Road to JBC・3歳以上:大井・ダート1200m:別定・雨・不良]

 レースは、昨年のこのレースの勝ち馬ハタノアドニスが押して先行するものの、内から北海道スプリントカップ(統一GIII)勝ち馬ディバインシルバー、さらには北海道から遠征してきた今年の北海道3歳クラシック二冠馬シャンハイジャンプが絡んでいき、猛烈な先行争いを繰り広げる展開に。これを見る位置で2連勝中の上がり馬ヒカリジルコニアが好位を追走。マイネルセレクトは中団をぽつんと追走していく。

 勝負所でディバインシルバーが僅かに先頭に立ち、ハタノアドニスも並んで追走するものの、シャンハイジャンプが一杯となり、代わってヒカリジルコニアが手応え良く進出していく。

 直線を向くと、ディバインシルバーハタノアドニスは先行争いが祟って一杯となり、代わってヒカリジルコニアが先頭に。しかし、外からマイネルセレクトが楽々と交わして先頭に立ち、そのまま優勝した。

 一旦は抜け出したヒカリジルコニアが2着に入り、3着には後方から差を詰めたシャドウスケイプ。4着には、このほど廃止が表明された高崎競馬から遠征してきた群馬記念(統一GIII)3着馬タイガーロータリーが、最後方から直線だけで追い込んできた。後方から差を詰めた2001年のフェブラリーS(GI)勝ち馬ノボトゥルーが5着。

 以下、逃げたディバインシルバーは失速して6着。アフター5スター賞4着のカセギガシラは好位追走も直線伸びず7着。直線失速したハタノアドニスは9着。アイビスサマーダッシュ(GIII)3着のネイティヴハートは、やはりダートでは動けず見せ場なしの10着。北海道のシャンハイジャンプは、最下位の14着に沈んだ。

 勝ったマイネルセレクトは、父がダートの活躍馬を多数輩出している名種牡馬フォーティーナイナー、母がウメノアスコット(母父ラッキーソブリン)で、祖母が1980年の桜花賞エリザベス女王杯を勝ったハギノトップレディ、近親に1991年の安田記念(GI)、スプリンターズS(GI)を勝ったダイイチルビーがいるという良血馬。北海道・三石町加野牧場の生産で、馬主は岡田繁幸総帥率いるサラブレッドクラブ・ラフィアン。2歳10月の福島開催でデビューし、デビュー勝ち。12月のシクラメンS(OP)2着後、脚部不安で休養に入り、秋に復帰するも、3戦して再び休養。4歳となった昨年の夏に復帰すると、3連勝でシリウスS(GIII)を制し、続くJBCスプリントはハナ差の2着。5歳となった今季は、初戦のガーネットS(GIII)を快勝し、続くドバイゴールデンシャヒーン(首GI)でも5着とまずまずのレースを見せた。復帰戦となった前走のさきたま杯(統一GIII)は、急仕上げだったこともあり、勝負所で深呼吸をして6着に終わっていた。

 マイネルセレクトは、まだ完調とまではいわないものの、一叩きできっちり変わってきた。今回の内容からもダートのスプリント路線では、はっきり一枚能力が抜けており、アクシデントでもない限りJBCスプリントでは確勝級だろう。2着のヒカリジルコニアは、脚抜きのいい馬場に加えて展開も向いた面があるが、今後に向けて目処の立つ内容だった。4着のタイガーロータリーは、1200mでは若干距離不足の面もあるが、最後素晴らしい脚で追い込んできたように、統一重賞クラスでも十分通用する能力がある。今後も楽しみだ。ディバインシルバーは、先行争いが堪えたにしても案外な失速で、大井コースの適性の問題があるのかもしれない。ハタノアドニスは、昨年に比べると能力的な衰えがないわけではないが、今回に関しては展開が厳しかったことが大きい。もともと脚抜きのいい馬場も得意ではなく、時計のかかる馬場でスムーズな流れなら巻き返す余地もあるはずだ。北海道から遠征のシャンハイジャンプは、最後は失速したもののテンのスピードに光るものを見せた。まだ3歳ということもあり、今後の成長に期待したい。