坂井千明騎手、引退

 坂井千明騎手(53歳)[フリー(美浦)]が、9月26日の中山競馬最終レースの騎乗を最後に現役を引退した。

 坂井千明騎手は、1951年2月14日東京都生まれの53歳。1970年3月1日に初騎乗(トキノマツカゼで6着)で、初勝利は同年3月29日にファイトパワーで挙げた(5戦目)。通算成績は9864戦688勝(うち障害57戦10勝)で、重賞は、エビスジョウジで制した1987年の東京新聞杯GIII)、ラケットボールで制した1990年のオールカマー(GIII)、マイヨジョンヌで1996、97年と連覇した新潟大賞典(GIII)など11勝。特に1994年のラジオたんぱ賞(GIII)を制したヤシマソブリンとのコンビでは、同期の三冠馬ナリタブライアンに果敢に挑み、日本ダービー(GI)で3着、菊花賞(GI)で2着と健闘した。また、1990年と1999年にフェアプレー賞を受賞している。

 最終レース後に行われた引退式では、「とにかく今日は最高の1日でした。思い返せば長い騎手生活だったが、ここまでやってこれたのは全てファンのおかげです。楽しいことや苦しいことはいっぱいあったが、やっぱり後輩に次々と抜かれていくのが1番苦しかったですね。しかしみんなよく慕ってくれましたし、みんな良い奴らばかりでした。これからも、若い奴らが頑張ると思うので今後もともよろしくお願いします。」とコメント。【JRA日本中央競馬会】

 また、今後については、「将来的には(制度化されれば)騎手のエージェントをして
乗り馬に恵まれない若手を救ってあげたい」とコメントしたと伝えられており、若手騎手に慕われた粋なベテランらしいメッセージを残している。【デイリースポーツ】