[大井]第38回黒潮盃(南関東G2)|優勝:キョウエイプライド|父:アジュディケーティング|生産:静内町・大典牧場

 今年から地方競馬全国交流競走となった、夏の大井競馬の伝統の3歳戦黒潮盃は、単勝2番人気のキョウエイプライド(牡3歳)[的場文男騎手、阪本一栄厩舎(大井)]が、後方追走から直線鮮やかに差し切って優勝した。勝ちタイムは1:53:3。鞍上の的場文男騎手は黒潮盃6勝目。三連単は38,040円の波乱となった。

 【Keiba.go.jp 地方競馬情報サイト】 [日刊スポーツ賞・地方競馬全国交流・3歳限定:大井・ダート1800m:別定・晴・良]

 デビュー2戦目から6連勝で注目を集めていた上がり馬シュルードパーソンが熱中症で競走除外となり、12頭でのスタートとなる。

 レースは、クラウンカップ勝ち馬のブルーローレンスが行こうとするが、京浜盃勝ち馬のベルモントストームが大外枠からハナを奪う展開。条件戦を2連勝して勢いに乗る4番人気のハネダキャノンが好発から先団につけ、ハナに行くと思われた東京ダービー勝ち馬アジュディミツオーは、ダッシュつかず控えての好位からの競馬。出遅れたキョウエイプライドは後方からの競馬となる。

 向う正面ではアジュディミツオーが掛かり気味に2番手に進出し、キョウエイプライドも徐々に進出を開始する。

 直線は、逃げ込みを図るベルモントストームと、これに並んだアジュディミツオーが抜け出し、マッチレースとなるかと見えたが、外からキョウエイプライドが鮮やかに差し切って優勝した。1 1/2差の2着にも、後方待機から直線一気に追い込んだ東京プリンセス賞2着馬のアイチャンルックが入り、阪本一栄厩舎のワン・ツーフィニッシュ。アジュディミツオーは、懸命に粘ったものの、クビ差及ばず3着。逃げたベルモントストームは、直線失速して4着に終わった。

 以下、先行したハネダキャノンは直線失速して8着。京浜盃2着のステルスラインは、いつも通りの後方待機も、末脚不発で9着。ブルーローレンスは、ハナを切れず早目に一杯となって10着。前走、条件特別を勝って復調の兆しを見せた昨年の平和賞勝ち馬ランノホシは、好位追走も直線失速して最下位12着に終わった。

 勝ったキョウエイプライドは、父アジュディケーティング、母アマノカミ(母父カウンテスアップ)という血統構成。北海道・静内町の大典牧場の生産で、馬主は田中晴夫氏。昨年の6月に大井でデビューし、3戦目のオープンで初勝利。2歳時はハイセイコー記念で4着に入った程度と目立たない存在だったが、今年に入って徐々に力をつけ、準重賞の雲取賞を勝って臨んだ羽田盃トキノコジローの2着。的場文男騎手悲願のダービー制覇が期待された東京ダービーではアジュディミツオーの逃げを捕らえきれずに2着。前走のジャパンダートダービー(統一GI)では、南関東最先着の3着と健闘していた。

 今回は展開が向いた面もあるが、怪我の功名とはいえ矯める形で決め手不足を解消できたことは大きな収穫で、秋以降に向けてこれは楽しみとなった。2着のアイチャンルックは、山田信大騎手得意の腹をくくった追い込みがズバリ嵌まった。もともと大井では堅実に末脚を使うタイプで、今後も展開次第ではいいレースができるだろう。アジュディミツオーは、ハナを切れず掛かり気味だったこともあるが、それにしても追ってからが案外だった。相変わらずのしぶとさは見せているが、使い詰めでそろそろ疲れがきているのかもしれない。立て直しを期待したいところだ。ベルモントストームは、ここ二走同様手応え良く行きながらの直線失速。レース振りからは距離が長い印象があり、距離短縮での変わり身を期待したい。