[大井]第6回ジャパンダートダービー(統一GI-南関東G1)|優勝:カフェオリンポス|父:Grand Slam|生産:米国・Mt. Brilliant Farm

 春のダート3歳チャンピオン決定戦、ジャパンダートダービー(統一GI)は、単勝3番人気のカフェオリンポス(牡3歳)[柴田義臣騎手、松山康久厩舎(美浦)]が、道中中団追走から直線鋭く伸びて優勝した。勝ちタイムは2:04:5。

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 レースは、出負け気味の東京ダービー勝ち馬アジュディミツオーが押してハナに立つと、外枠から好スタートを切った昨年の全日本2歳優駿(統一GI)勝ち馬アドマイヤホープがスンナリ2番手の外に。京浜盃勝ち馬ベルモントストーム関東オークス(統一GIII)2着馬アクイレジアが好位につけて、その後に東京ダービー2着のキョウエイプライドヒヤシンスS(OP)勝ち馬カフェオリンポスが中団とスンナリ隊列が決まる。

 道中もそのまま淡々としたペースで流れるが、勝負所でこのスローペースを嫌った羽田盃勝ち馬トキノコジローが後方から一気に外を回って捲りをかけると、好位勢もこれにつられるようにスパート。一方のアドマイヤホープは手応えが一杯となって失速していく。

 直線はアジュディミツオーに並びかけたベルモントストームが先頭に立ち、これに外からアクイレジア、内からキョウエイプライドが迫ってこの3頭の争いかと思われたが、残り1Fの地点でカフェオリンポスが一気の伸びを見せ、そのまま3馬身差突き抜けて優勝した。

 激しい2着争いは外からしぶとく伸びたアクイレジアが制し、内をついて伸びたキョウエイプライドが3着。アジュディミツオーは、東京ダービーのような伸びはなかったものの、しぶとい粘りを見せて4着。外から捲ったトキノコジローは5着に上がるのが精一杯。ベルモントストームはラスト失速して6着に終わった。

 名古屋優駿(統一GII)勝ち馬タカラアジュディは、今日は好位に控える消極的なレースとなり、そのまま流れ込んだだけの9着。勝負所で手応えがなくなったアドマイヤホープは最下位の14着に沈んだ。

 勝ったカフェオリンポスは、父Grand Slam、母Cognac Lady(母父Olympio)の血統の外国産馬。馬主は「カフェ」の冠号でお馴染みの西川清氏。昨年の8月に新潟でデビューし、2戦目で初勝利。2歳時はダート戦ばかりを4戦2勝。今季初戦のクロッカスS(OP)こそ7着と大敗したが、続くヒヤシンスSを好タイムで快勝して一躍台頭。その後一息入れて臨んだ前走のユニコーンS(GIII)では出遅れて4着に終わっていた。今回は一叩きの効果に加えてスムーズなレースで能力の違いを見せつけた形。緩めの展開をあっさりと差し切った内容から、着差以上に能力差がある印象だ。早熟な血統らしく現時点での完成度は一枚上で、あとは今後成長を見せてくる馬とどう戦っていくかだろう。

 2着のアクイレジアは、さすがにロジータを母に持つだけあって、南関東との相性の良さはさすがといったところ。とはいえ、牡馬の一線級相手に正攻法の競馬でここまで走れるのは能力の証し。牝馬限定戦に戻れば力が一枚違うだろうし、今後の成長次第では牡馬相手でも相当な活躍ができる可能性を秘めているように思う。

 南関東勢では、的場文男騎手が絶妙の騎乗を見せたキョウエイプライドが3着に入るのが精一杯。上位2頭とは正直力量差がありそうだ。アジュディミツオーは、今回も楽なペースで行けたが、今回は直線の伸びが一息だった。大きく崩れてはいないし、今後の成長に期待だろう。トキノコジローは前残りの流れになってはやはり辛い。それでも見せ場は作っているし、展開次第では十分大きいところを狙えるパワーを秘めているはず。逆にベルモントストームは絶好の流れと思えただけにこの失速は正直がっかり。もしかすると2000mは少し長いのかもしれない。マイルくらいの距離で巻き返しを期待したいところだ。