JRAの4重賞が国際格付けを取得することが内定―安田記念とマイルCSが国際GIへ昇格

【スポーツニッポン】 世界各国のハンディキャッパーが一堂に会して競走馬の格付けを行うITCインターコンチネンタル・サラブレッド・クラシフィケーションズ会議が6月28日から三日間の予定でJRA阪神競馬場で開催される。会議の席上、競走馬の格付けを行う前提として世界各国の重賞競走の格付けが見直されるが、日本競馬関係では、安田記念マイルチャンピオンシップが国際GI、産経大阪杯マイラーズカップが国際GIIの国際格付けをそれぞれ認定されることが内定した。

 このことは、ITC開議開催を翌日に控えた6月27日、阪神競馬場でITC会議の参加予定者とマスコミ関係者との間で意見交換会が行われたが、その席上で甲佐勇JRAンデキャッパーから明らかにされた(日刊スポーツ)。

 JRAの国際グレード競走は、従来のジャパンカップ(国際GI)、宝塚記念(国際GI)、阪神大賞典(国際GII)、京王杯スプリングカップ(国際GII)、毎日王冠(国際GII)、京都大賞典(国際GII)、富士ステークス(国際GIII)、武蔵野ステークス(国際GIII)と合わせて、合計で12重賞になる。

 日本競馬は、外国調教馬の出走枠が制限されているため、各国主催者による重賞格付けがそのまま国際グレードとして通用する、いわゆるICSC(インターナショナル・カタロギング・スタンダーズ・コミティー)国際セリ名簿基準委員会が定める国際格付けの「パート1」国の認定を受けていない。このため、現状の「パート2」国・認定の下では、個別の重賞ごとに国際クラシフィケーションによって定まるところの基準(上位4頭の年末時点でのレーティング平均値を算出し、過去2年の平均が115なら国際GI、110なら国際GII、105ならGIII)を満たす必要がある。

 日本初の国際GI競走としてジャパンカップ(国際GI)が1992年に認定されて以来、しばらくの間は日本での国際格付け重賞はジャパンC一つという状態が続いていたが、JRA日本中央競馬会の主導による国際化計画(第一次〜第二次)が進展するとともに、2001年6月に宝塚記念(国際GI)、京王杯スプリングカップ(国際GII)、毎日王冠(国際GII)の3重賞が国際格付けを獲得。その後も2002年6月に阪神大賞典(国際GII)、富士ステークス(国際GIII)、武蔵野ステークス(国際GIII)が国際格付けを認定され、2003年6月には京都大賞典(国際GII)が国際格付けを認定されるなど、古馬の基幹重賞競走を中心に国際グレードの取得が本格化していた。

 今回の国際グレードを追加取得した結果、特に1400m〜1800m戦線を中心に、マイラーズカップ(国際GII) or 産経大阪杯(国際GII)→京王杯スプリングカップ(国際GII)→安田記念(国際GI)→宝塚記念(国際GI)→毎日王冠(国際GI) or 富士ステークス(国際GIII)→マイルチャンピオンシップ(国際GI)という具合に、日本で施行される国際重賞を連戦するローテーションを組むことも理論上は可能になる。このことは、あるいは外国調教馬の日本遠征を誘致する際の好材料となるかもしれない。

 ちなみに、安田記念については2001年時点で国際GI昇格を目指していたもののレースグレード平均値が115を下回ったため昇格が先送りされ、また、毎日王冠については国内のGII格付けにもかかわらず国際GIを認定される余地があったという逸話がある(日本経済新聞・野元賢一記者の専門コラム-2001年7月2日付)。

 ¢(。。) 2004年重賞競走レーティング-暫定値-(JRA)
 ¢(。。) 2003年GI競走レーティング&クラシフィケーションレート(JRA)
 ¢(。。) 2003年重賞競走レーティング(JRA)
 ¢(。。) 2002年GI競走レーティング&クラシフィケーションレート(JRA)
 ¢(。。) 2002年重賞競走レーティング(JRA)