吉田照哉・社台ファーム代表、コラム「(地)クラブ馬登場の背景」を掲載

 【社台グループ「Thoroughbred」】 吉田照哉社台ファーム代表が、○地のクラブ法人所属馬が登場した背景について解説している。

 これは、この春の一連の制度改正によって可能になったもので、具体的には〓クラブ所属馬が未勝利または未出走でJRA登録を抹消、〓吉田照哉氏または吉田勝己氏が当該馬を購買し、地方競馬に転籍、〓転籍先の地方競馬で1勝以上をあげる、〓クラブが吉田照哉氏または吉田勝己氏から当該馬を買い戻し、同馬を出資していた会員に対して再募集する、〓JRA復帰という方法をとるという。

 近年、地方からJRAへの再転入の規制が緩くなったことから、未勝利のまま500下に編入された馬に関して、出走制限を回避するために一度地方に転出し、1勝以上挙げて収得賞金を確保した上で、500万下の資格を得てJRAに復帰させる方法は、個人馬主についてよく見られるようになってきており、これをクラブ法人に応用したものとなる。

 クラブ法人の所属馬を巡っては、JRAの登録を抹消されて地方に転出後、馬が変わったように活躍する馬もないわけではなく、そうしたことが会員の不満につながる要素の一つにもなっていたが、今回示された方法は、それに対する解答の一つになる可能性を有しているといえそうだ。

 ただ、JRAと地方との賞金格差や、入厩頭数制限の問題などもあり、これで全てが解決するというものでもなさそうである(この点についての分析は「負け犬@馬耳東風」さんに詳しいのでそちらを参考にされたい)。吉田照哉氏の従来からの主張であるという、「地方競馬にもクラブ法人を認めたらどうか」という問題も含め、まだまだ解決すべき課題は山積しているといえるが、今回の社台グループの試みが前向きな解決につながっていくことを期待したいところだ。