第26回新潟大賞典(GIII)は、マイネルアムンゼンが優勝

 【JRA日本中央競馬会】 [4歳以上:新潟・芝2000m:ハンデ・雨・やや重]

 春の新潟開催の名物レース新潟大賞典(GIII)は、単勝2番人気のマイネルアムンゼン(牡5歳)[大西直宏騎手、田中清隆厩舎(美浦)]が、道中好位追走から直線外ラチ沿いを伸びて大激戦を制した。勝ちタイムは2:00.5。

 レースは2002年の小倉記念(GIII)勝ち馬アラタマインディがハナに立ち、スローペースの淡々とした流れ。

 直線を向くとアラタマインディを除く後続が全て外ラチに向けて進路をとり、外ラチ沿いの狭いスペースでゴチャゴチャとなる異様な展開。マイネルアムンゼンは大外枠も利して早めに外ラチ沿いの好位を確保して、そのまま伸びきった。8枠のもう一頭のハレルヤサンデーが同じように外目を通って2着。

 昨年のダイヤモンドS(GIII)5着馬のスーパージーンは、道中中団の外に付けていたものの、直線を向くと外へ外へ向かう先行・好位勢に次々と進路を塞がれ、ゴール前でようやく進路を確保すると猛然と伸びたが、とき既に遅く僅差の3着と惜しい競馬。

 昨年のNHKマイルカップ(GI)勝ち馬ながらその後全く不振のウインクリューガーは、先行策から直線も上手く外へ進路をとって後続の追い上げを塞ぎ、4着に粘り込み。同じように好位から外に進路をとった中京記念(GIII)勝ち馬メイショウキオウが5着。

 終始右にヨレる気性から、待望の左回りで期待された2002年の東京スポーツ杯2歳S(GIII)勝ち馬ブルーイレヴンは、各馬が外に殺到する予想外の展開で上手く捌けず、またしても不完全燃焼の7着。昨年の愛知杯(GIII)勝ち馬カゼニフカレテは、後方追走も休み明けの分か伸びきれず8着止まり。中山金杯(GIII)勝ち馬アサカディフィートは、先行したものの苦手の雨馬場に脚をとられて直線失速して10着。一番人気に推された2001年の札幌2歳S(GIII)勝ち馬ヤマノブリザードは、後方追走も直線もさっぱり伸びずに13着に沈んだ。

 勝ったマイネルアムンゼンは、父が1996年のキングジョージ(英GI)勝ち馬ペンタイア、母はJRA5勝のダイナマッケンジー(母父ノーザンテースト)という血統。2歳12月の中山開催でデビューし、折り返しの新馬戦を勝利。3歳時は京成杯(GIII)5着、セントライト記念(GII)3着とまずまずの活躍。4歳の春から夏にかけて本格化し、条件戦を連勝して臨んだエプソムカップ(GIII)を快勝して3連勝で重賞初制覇。秋の飛躍が期待されたが、一線級には通用せずスランプに陥った。前走のオーストラリアトロフィーで2着と久々に好レースを見せ、復調ムードでここに臨んでいた。

 状態さえ戻ればローカルの中距離戦では能力上位で、ここは順当勝ちといったところか。昨秋の内容から、一線級を相手にするにはもう一段の成長が必要だが、中距離路線のGIIIクラスなら今後も目が離せない一頭になりそうだ。また、一連のレース内容から、どちらかといえば左回りの方が向いているのだろう。

 なお、同日行われた第49回京王杯スプリングカップ(GII)[4歳以上・国際:東京芝1400m:別定・曇・やや重]は、単勝2番人気のウインラディウス(牡6歳)[田中勝春騎手、藤沢和雄厩舎(美浦)]が優勝した。2着に昨年のこのレースの勝ち馬テレグノシスが入り、3着にUAEから参戦のフィートソーファスト。一番人気のマチカネアカツキは4着に終わった。【JRA日本中央競馬会】