第6回中山グランドジャンプ(J・GI)直前展望―MilkyHorse.com本紙による分析と展開

 今年のJGI第二弾の中山グランドジャンプ(JGI)が行われる。今年は有力馬が多数揃って力関係の把握が難しい一戦となった。

 軸としての信頼性を重視して、中心には◎ギルデットエージに期待する。一昨年の中山大障害(JGI)を勝ち、昨年の中山グランドジャンプも自分から動いていく厳しい流れでもビッグテーストの僅差2着と、JGIでの実績は上位。中山大障害こそ調子が戻らず回避したものの、ジックリ立て直して臨んだ阪神スプリングジャンプ(JGII)では、長期休養明けに加えベストとはいえない阪神コースでも積極策から僅差の3着。前哨戦としては上々の内容で、万全の体勢でここに臨んできた。自在の脚質で前をマークしながら進めるのも有利。大崩れは考えられないところだ。

 これを負かすとすれば、やはり中山大障害勝ち馬の○ブランディスだろう。中山コースは7戦5勝2着1回というコース適正もさる事ながら、中山大障害をアッサリ逃げ切ったスピードは魅力。その中山大障害が単騎で行けて恵まれた面があり、厳しい流れになった場合の不安と、やはりギルデットエージにマークされる立場がどうかという点で一枚割り引いたが、時計勝負に持ち込んであっさり逃げ切りがあってもおかしくはない。

 外国馬で怖いのは▲オリヴァーダンスか。これまで中山グランドジャンプでの実績が高いオセアニア勢。障害のキャリアは4戦ながら、ここまで無敗と底を見せていない点は魅力。ここまで大レースの経験がないだけに、大崩れの懸念もあるが、セントスティーヴンのスコット騎手とウィーラー調教師のコンビは、そのリスク以上の魅力を感じさせる。

 ステップレースの内容の良さという点からは、△ダイワデュールと△フサイチジハードも要注意か。ダイワデュールは、ペガサスジャンプSでスローの流れから早めに動いた分最後踏ん張りが利かなかったが、道中は折り合いがついており気性面の成長は大きい。一叩きされての上積みも見込めるし、ペガサスジャンプS組ではやはり最有力だろう。ただ、そのペガサスジャンプSは、今一つメンバーが強力でなかった面はあり、これまでの実績から上位とはまだ力差があるかもしれない。昨年に比べてどこまで成長しているかだ。関東の名手田中剛騎手の騎乗にも期待したい。
 一方のフサイチジハードは、目立たないながらも一戦毎に力をつけている。中山コース向きの安定した飛越とレース運びが魅力。格段に相手関係が強くなるだけにどうかという面もあるが、この勢いは魅力だ。勝ち負けを争うのはこの5頭までではないだろうか。

 連下で狙ってみたい穴馬は△ヤマトフォルツァ。一戦毎に力をつけてきているし、父モガミ産駒らしいしぶといレース振りは、いかにもこのレース向きではある。中山コースが2戦着外は気になるところだが、力をつける前のことだし、なんといっても大ベテランの嘉堂信雄騎手騎乗は最大の魅力。混戦となって上位陣にミスがあれば、こういう馬が突っ込んでくるのではないか。三連複ではぜひとも押さえたい1頭。

 ペガサスジャンプS組の外国馬は、ニコバリーは着順も差のない5着だし、勝負所で早めに動いた分バテたと考えれば、一叩きの上積みも合わせて不気味ではある。ただ、ペガサスジャンプSでテンに追走に苦労していたのは気になるところ。勝負所で動いていけたのはスローペースで追走が楽だったからともとれる。今回はブランディスや関西勢の参戦で流れが速くなるのは必至。まずは流れに乗れるかが問題となりそうだ。日本の競馬を知り尽くしているロケット騎手の手綱捌きに期待したいところだが。
 一方のミスティーウェザーは、ペガサスジャンプSでは引っ掛かって早々に一杯となり、9着と大敗。ただ、引っ掛かるほどのスピードは、良い方にに考えれば日本の障害のペースに対応できるということ。もちろん単にスタミナ不足の懸念はあるが、速い流れで折り合いがつけば、一変する可能性もある。前回の負けで人気が落ちるならむしろ狙い目もあるのではないか。

 オーウェイ、ネリエットのフランス勢二騎は、実績はそうも見劣らない。ただ、ここまでのフランス勢の内容を見ると、やはり日本の障害では若干スピード不足の印象は否めない。今年は天気も良く絶好の馬場状態で時計勝負は必至。マジョルクリック騎手、ブラオ騎手とも日本の競馬には慣れており、その点には期待できそうだが、正直入着までではないだろうか。時計、上がりがかかる展開になるなど、展開面での助けが欲しいところだろう。

 他の日本勢についてもそれぞれ触れておこう。メジロオーモンドは全くの人気薄のようだが、前走ブランディスの0.7秒差2着は光る。一本調子な面はあるが、それが却って息の入りやすい中山コースへの適正に繋がっているようだ。休み明けとなるが、鉄砲は全く苦にしないタイプ。スンナリした前残りの流れになれば、粘りこみもありそうだ。

 メルシータカオーはなかなかの実力馬だが、中山大障害5着の内容が現状の力ではないかと思う。このメンバーに入るとパンチ不足は否めず、大崩れはないとしても今回は入着級だろう。

 ジュピテリアンは、このメンバーに入ってははっきり力不足。当初予定されていた横山義行騎手が騎乗停止となり、田島翔騎手に乗り替わるのもマイナスで、今回は苦しいだろう。

 マイネルユニバースは、名障害馬ゴーカイの弟で、前走のペガサスジャンプSではその片鱗を見せた2着。ただ、そのペガサスジャンプSは横山義行騎手の好騎乗と、展開がバッチリ向いた印象。今回も展開に恵まれるかとなると微妙だし、中山グランドジャンプバンケットで落馬の経験もある穂刈寿彦騎手への乗り替わりははっきりマイナスだろう。ここは買いにくいところだ。

 マイネルオーパーは、前走の阪神スプリングジャンプでいつにない積極策。ただ、やはり本来はジックリ矯めての後方待機策が合うように思う。直線の長い東京・新潟コースが合うのは確かだが、開き直って直線勝負に徹すれば、激しい流れで前が崩れた場合に末脚炸裂のシーンもあっておかしくはないか。