岩手県競馬組合が約15%経費削減を行う2004年度予算を編成

 【河北新報】 2004年1月現在で累積赤字が約80億円にまで膨らんでいる岩手県競馬組合(管理者:増田寛也岩手県知事)は、馬券売上を前年比17%減と見込んだ2004年度予算を、3月26日の定例組合議会で決定した。

 支出面では、管理者(年46万4000円)、盛岡・水沢の両市長が務める副管理者(年18万4000円)、県出納長が務める組合出納長(年24万円)の報酬を全額カットするほか、組合議員など特別職の給与を約30%削減。一般職員についても期末手当の約30%削減を行うとしており、総額で約2500万円の人件費を削減する。

 また、開催費用についても、報奨金と事務委託費を合わせて約6億円削減することにしており、全般に、馬券売上の先細りを直視した緊縮予算となっている。

 ただし、馬券売上を前年比約17%減と厳しく見積もってはいるものの、なお旧・盛岡競馬場跡地と競馬会館(ともに盛岡市)の売却益を合計・約15億6000万円と見込んで2004年度の収入予定に計上している点が、欠損のおそれがあることを考えると不安材料ではある。というのも、旧競馬場跡地と競馬会館については、そもそも2003年度中の売却を目指していたところ、買い手が現れずに売却が先送りされたという事情があるのである。

 2004年3月15日〜16日に両不動産の入札公募が実施されたが、入札に応じる企業は1件も現れず不成立に終わっている。岩手県競馬組合では、2003年度の両不動産・売却予定額を約21億円と想定していたが、2004年度は約5億円以上値下げして再度入札を実施し、売却を急ぐ方針だ。

 しかし、岩手県盛岡市という立地条件で数十億円規模の不動産物件は、かなりの大型取引に属すると思われるだけに、地方経済の冷え込みが深刻化している昨今の情勢の下で、円滑な組合資産の現金化を進めることができるかどうかは、かなり流動的な面があると思われる。今後の動静を注視したいところだ。

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