第54回ダイヤモンドステークス(GIII)は、ナムラサンクスが優勝

 【JRA日本中央競馬会】 今年から3400mとなった名物長距離レースは、万葉S(OP)の勝ち馬ナムラサンクス(牡5歳)[渡辺薫彦騎手、松永善晴厩舎(栗東)]が勢いに乗って重賞初制覇を遂げた。

 レースは、ルゼルがハナを切ってのスローペースの展開。2番人気のナムラサンクスは、道中は中団で折り合い、直線横一線の追い比べから残り200mで抜け出してそのまま押し切った。勝ちタイムは3分31秒9。

 前走・準OPの迎春Sを勝ってここへ臨んだ父サクラローレル産駒のミッキーベルが、道中最後方から直線の大外を追い込んだものの3/4馬身差及ばず。同じく後方を進んだ岡部幸雄騎手騎乗のタニノエタニティもジワジワと追い込んだが、前二頭とは差のある3着。道中好位で折り合っていた一番人気のエリモシャルマンは、直線でさっぱり伸びを欠いて9着と人気を裏切った。

 勝ったナムラサンクスは、父サクラチトセオー、母テンザンナイーブ(母父スルーザドラゴン)の血統。2歳夏の小倉でデビューし、7戦目で初勝利。3歳時は愛知杯(GIII)4着、京都新聞杯(GII)5着のほか、秋には神戸新聞杯(GII)で3着に入り、菊花賞(GI)にも出走。その後は条件戦で勝ちきれないレースが続いていたが、昨年の夏頃から徐々に本格化。前走は準OPながら格上挑戦した万葉Sを快勝し、ここに臨んでいた。出走馬中重賞勝ち馬が長期休養を挟んでいるルゼルのみというメンバー構成に恵まれた印象は否めず、この勝利で天皇賞云々はいえないだろうが、ここへきて急速に力をつけてきている印象だけに、今後の成長にも期待したいところだ。