第29回桐花賞(D重賞)-水沢は、トニージェントが優勝

 【NAR地方競馬全国協会】 大晦日に行なわれた岩手県競馬暮れの風物詩・第29回桐花賞は単勝1.6倍と断然の1番人気に推されたトニージェント(牡6歳)[村上忍騎手・村上実厩舎(水沢)]が、中団待機から勝負所で進出すると、直線のマッチレースを3/4馬身差で制して優勝した。

 前走の早池峰賞で重賞初制覇を飾ったタイキシェンロンは、先行策からよく食い下がったものの、最後は力尽きて2着。この秋JRAから移籍してきたジョウノブラボーは、先行争いを制して行き切ったものの、直線は上位二頭の決め手が勝り、5馬身差の3着。

 以下、みちのく大賞典3着のエスエスレディ、同レース2着のシンコウシーザーが、後方から追い込んでそれぞれ4着、5着。

 勝ったトニージェントは、父パークリージェント、母タキノトニー(母父ハビトニー)という血統構成。2歳の6月にデビューし、3歳時は岩手のダービー・不来方賞を制したほか、ダービーグランプリ(統一GI)3着など、岩手の同世代チャンピオンとして君臨。4歳時はやや不調だったものの、昨年は岩手のトップホースとして堅実に上位を賑わし、さらに暮れの桐花賞から今年のシアンモア記念まで4連勝するなど、今季はトーホウエンペラー引退後の岩手のエースとして活躍した。前走の北上川大賞典は上がり馬・デンゲキヒーローの末脚に屈したものの、そのデンゲキヒーローが東京大賞典(統一GI)遠征で不在のここでは、人気に応えて順当にグランプリ連覇を遂げた。

 トーホウエンペラー引退後はやや目立たない印象の岩手勢だが、トニージェントに加え、タイキシェンロン、デンゲキヒーローとここに来て楽しみな素質馬が現れてきた印象がある。来年は再び、岩手勢による全国区での活躍も期待できそうだ。