さようなら〜2002年供用停止種牡馬外伝その13「クリスタルグリッターズの場合」

 JRHR日本軽種馬登録協会から2002年供用停止種牡馬一覧が公表されたのを受けて、MilkyHorse.comではニュースコンテンツ「文芸欄」の企画として、まよ氏@MiljkyHorse.comの執筆による供用停止種牡馬の馬生を簡単に振り返る外伝を連載します。

 クリスタルグリッターズ[Crystal GIitters(USA)]→2002年12月5日、死亡

 1980年アメリカ産。父はRed God系の名種牡馬Blushing Groom、母はAlibhai系Donut King産駒のTales to Tellという血統。現役時代は仏2000ギニー(GI)がL'Emigrantの2着、愛2000ギニー(GI)がワッスルの4着に終わったものの、3〜4歳時にイスパーン賞(仏GI)を連覇し、フランスの中距離路線で活躍した。ただ、この時期のフランス競馬はかなり低調なレベルで、クリスタルグリッターズ自身も4歳時にイギリスに遠征したエクリプスS(GI)ではSadler's Wellsの4着と完敗。欧州の一線級に対しては足らなかった。現役時代の通算成績は17戦5勝。

 フランスで種牡馬入り。1985年〜1988年の供用からは、アーリントンミリオン(米GI)を勝ち、ジャパンC(国際GI)にも来日(3着)したDear Doctorや、ジャンドショードネ賞(GII)の勝ち馬Lights Out、渋いところではスイスダービー(GI)の勝ち馬Kapellmeisterを輩出。1991年にはフランスのサイヤーランキングで7位になるなど、まずまずの成功を収めた。

 輸入後は、気性の難しいムラな産駒が多いが、そんな中から中距離で活躍する上級馬を送り出した。

 日本での代表産駒マチカネフクキタル神戸新聞杯(GII)、京都新聞杯(GII)を連覇。本番の菊花賞(GI)でも上がりの競馬を鋭く差し切り、鮮やかな重賞三連勝で距離不安をささやいた血統ファンの声を一蹴した。

 また、ダート界にも帝王賞(統一GI)、東京大賞典(統一GI)など、ダートグレード競走を9勝した名馬アブクマポーロを出し、大成功を収めた。

 Red God系は我が国ではかなり成功している割に、今ひとつサイヤーラインが伸びていない。今後はマチカネフクキタルアブクマポーロらに後継の期待がかかるところだ。