[盛岡]第7回岩手県知事杯OROカップ|優勝:トレオウオブキング|父:スターオブコジーン|生産:門別町・浜本幸雄牧場

 9月25日に行われた、マイルチャンピオンシップ(GI)ステップ競走出走馬選定重賞の岩手県知事杯OROカップは、単勝4番人気のトレオウオブキング(牡4歳)[張田京騎手、上杉昌宏厩舎(大井)]が、先行策から直線抜け出して優勝した。勝ちタイムは1:41:7。

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 レースは、昨秋岩手に転入してきた2001年の七夕賞(GIII)勝ち馬ゲイリートマホークが好発からハナを切り、昨年のこのレースを制している10歳の古豪トキオパーフェクトが2番手につける展開。この夏JRA1000万下から転入してきたゲンパチコジーンと大井からの遠征馬トレオウオブキングの父スターオブコジーン産駒2頭が先団を追走。大井から遠征してきた父トワイニング産駒エクシードリミットと、昨年のこのレース3着で二走前にせきれい賞の2連覇を達成、ここは単勝1.9倍と断然の一番人気に推された父サニーブライアン産駒サイレントグリーンが中団からの競馬となる。

 勝負所にかかると人気のサイレントグリーンが外目を回って進出し、直線では一杯となったゲイリートマホークに代わってトキオパーフェクトが一旦は抜け出すが、これに追い込んできたトレオウオブキングとサイレントグリーンが襲いかかり、最後はトレオウオブキングが抜け出して優勝した。

 サイレントグリーンは良く伸びてきたものの、1 1/4馬身差の2着まで。一旦は抜け出したトキオパーフェクトは、さらに3/4馬身差の3着。

 以下、先行策も勝負所で置かれたゲンパチコジーンが4着。直線一杯となったゲイリートマホークが5着。読売レディス杯5着で、ここは2番人気に推された父サンシャック産駒のラブグレースは、後方追走から勝負所で追い上げたものの、直線で伸びを欠いて6着。中団を追走したエクシードリミットは勝負所で一杯となり10着に終わった。

 勝ったトレオウオブキングは、父が現役時代1993年のアーリントンミリオン(米GI)、マンノウォーS(米GI)を制してジャパンカップ(国際GI)に来日(5着)、種牡馬としては今年のさきたま杯(統一GIII)などGIII4勝のニホンピロサートや2000年の京成杯(GIII)勝ち馬マイネルビンテージらを輩出して成功しているスターオブコジーン、母がグレイスハニー(母父マルゼンスキー)という血統構成。今年の黒潮盃勝ち馬ボンネビルレコードを輩出している北海道・門別町の浜本幸雄氏の生産で、馬主は千葉正人氏。2歳の7月に北海道競馬の堂山芳則厩舎からデビュー。緒戦は競走中止に終わったが、3戦目で初勝利。北海道競馬で5戦2勝の成績を残し、3歳時はJRA萱野浩二厩舎(美浦)に移籍したが、僅か4戦(0勝)で大井の上杉昌宏厩舎に移籍。南関東では条件戦を14戦して5勝2着7回と堅実な成績を残し、前走B2特別を勝ってここに臨んでいた。

 トレオウオブキングは、父スターオブコジーン産駒ということから存外芝向きというのもあるだろうし、鞍上の張田京騎手の好騎乗もあっての重賞初制覇。ただ、相手なりのタイプとはいっても南関東のB級の馬ということもあり、これに負けるようでは岩手のサイレントグリーンもちょっと情けない。こと芝に関しては、現状岩手勢の層の薄さは否めないといったところだろうか。(文責:ま)