[中央]第41回金鯱賞(GII)|優勝:タップダンスシチー|父:プレザントタップ|生産:米国・Echo Valley Horse Farm & Swettenham Stud

 5月28日に中京競馬場で行われた、宝塚記念(GI)のステップレース、金鯱賞(GII)は、単勝1.4倍と圧倒的な一番人気に推されたタップダンスシチー(牡8歳)[佐藤哲三騎手、佐々木晶三厩舎(栗東)]が、スタートからマイペースの逃げを打ち、直線も上がりをまとめて悠々と逃げ切った。勝ちタイムは1:58.9。勝ったタップダンスシチーはこれで金鯱賞3連覇となり、この平地重賞の3連覇は1956〜58年の鳴尾記念を制したセカイオー以来、47年ぶり史上2頭目の快挙。また、テイエムオペラオースペシャルウィークに続く、獲得賞金歴代3位(現役1位)となった。

 【JRA日本中央競馬会】 [国際・3歳以上:中京・芝1800m:別定・晴・良]

 2着には6番人気の伏兵ヴィータローザが入り、2番人気のシルクフェイマスは3着まで。

 勝ったタップダンスシチーは、父が現役時代1992年のサバーバンH(米GI)、ジョッキークラブ金杯(米GI)を制して同年のエクリプス賞古牡馬チャンピオンに輝き、種牡馬としては1998年のガゼルH(米GI)勝ち馬Tap to Musicなどを輩出しているPleasant Tap、母がAll Dance(母父Northern Dancer)で、近親に1998年のケンタッキーダービー(米GI)を制した名牝Winning Colorsがいるという血統構成の米国産馬。馬主は「シチー」の冠号でお馴染みの友駿ホースクラブ。3歳3月の阪神開催でデビューし、折り返しの新馬勝ち。3歳時から京都新聞杯(GII)で3着に入るなど、素質の高さを見せていたが、重賞初制覇は5歳秋の朝日チャレンジカップ(GIII)。同年の有馬記念(GI)で13番人気ながらあわやの2着に健闘したあたりから本格化。翌6歳のジャパンカップ(国際GI)を9馬身差で逃げ切り、待望のGI初制覇。7歳となった昨年は、金鯱賞宝塚記念を楽勝。勇躍遠征となった凱旋門賞(仏GI)は、輸送をめぐるトラブルや、道中の厳しい流れが堪えて大敗したが、帰国緒戦で仕上がり7分の有馬記念で接戦の2着に入り、能力の高さを示していた。

 タップダンスシチーは、今季初戦もアッサリと貫録勝ち。8歳とは思えぬ能力の高さを示した。スローの逃げから上がりの競馬と、この馬らしからぬ平凡な勝ち方だったのは気にかかるところだが、もともと叩いてよくなるタイプだけに、本番ではキッチリと変わり身を見せてくれるだろう。