[中央]第98回京都記念(GII)|優勝:ナリタセンチュリー|父:トニービン|生産:早来町・ノーザンファーム

 2月19日、京都競馬場で行われた伝統の重賞京都記念(GII)は、単勝2番人気のナリタセンチュリー(牡6歳)[田島裕和騎手、藤沢則雄厩舎(栗東)]が、道中後方追走から徐々に進出し、4角でがら空きになったインから一気に抜け出して快勝した。勝ちタイムは2:15.7。2着、3着にそれぞれ6番人気、5番人気の伏兵トウショウナイトヒシミラクルが入り、単勝1.9倍と断然の一番人気に推されたシルクフェイマスは10着と惨敗。三連単は158,460円の大波乱となった。

 【JRA日本中央競馬会】 [4歳以上・国際:京都・芝2200m:別定・雨・重]

 レースは7番人気の伏兵ピサノクウカイがハナを切り、雨が降って重馬場となったこともあり終始スローで流れる展開。ナリタセンチュリーは、例によって後方待機策で折り合いに専念。4角で各馬が外を回る中、がら空きとなったインコースから一気に抜け出し、そのまま押し切って快勝した。

 条件戦を3連勝してここに臨んだ上がり馬のトウショウナイトは、中団待機から徐々に進出。得意の道悪ということもあり、直線もしっかり脚を伸ばして2着を確保した。昨秋に復帰した2002年の菊花賞(GI)馬ヒシミラクルは、今日は後方で折り合いに専念し、直線もジワジワと脚を伸ばして3着に入った。

 以下、3番人気に推されたダイタクバートラムは後方から差をつめただけの8着。2002年の菊花賞3着馬で、前走条件戦で久々の勝利を挙げてここに臨んだメガスターダムは、道中2番手追走も直線失速して9着。断然の一番人気に推されたシルクフェイマスは、好位追走も直線ばったりと脚が止まって10着に終わった。

 勝ったナリタセンチュリーは、父が名種牡馬トニービン、母がJRA4勝のプリンセスリーベ(母父ノーザンテースト)という血統構成で、全妹にJRA3勝(現役)のリキサンピュアティがいる。北海道・早来町ノーザンファームの生産で、馬主は「ナリタ」「オースミ」の冠号でお馴染みの山路秀則氏。2歳1月の京都開催でデビューし、4戦目で初勝利。その後は体質面の弱さもあって休み休み使われていたが、昨年の暮れ頃から本格化して3連勝。昨年は天皇賞・春(GI)で5着と健闘し、秋緒戦の京都大賞典(GII)を快勝。しかし、その後は鞍上がコロコロ入れ替わったことなどもあってリズムを欠き、今季初戦となった前走の日経新春杯(GII)でも武豊騎手を背に断然の一番人気に推されながら9着と大敗していた。

 ナリタセンチュリーは、ようやく本来の鞍上に戻り、得意の京都コースということもあってきっちり巻き返してきた。平坦で直線の長い京都コースの中・長距離戦はベストの条件で、春の最大目標である天皇賞・春でも末脚の生きる展開になればチャンスもありそうだ。

 2着のトウショウナイトは得意の道悪になったことが大きかった。ただ、ここまで3連勝できていたように力をつけてきているのも確か。時計が早くなった場合にどうかという懸念はあるが、ある程度時計のかかる条件であれば今後も注意を払いたいところだ。

 3着のヒシミラクルは、重馬場で60kgを背負っていることを考えればそうも悪くはない内容。とはいえ、今回はそれほど強力な相手関係だったわけでもなく、この3着で完全復活と見るのは早計だろう。今後、大目標の天皇賞・春へ向けて、使いつつどれだけ上向いてくるかが鍵になりそうだ。