[岩手]第12回青藍賞(D重賞)|優勝:タイキシェンロン|父:Fly So Free|生産:米国・Grade I Bloodstock

 南部杯(統一GI)に向けて東日本交流で行われるステップレース青藍賞は、単勝1.4倍と圧倒的な1番人気に推されたタイキシェンロン(牡6歳)[板垣吉則騎手、佐々木由則厩舎(岩手)]が、中団追走から直線の叩き合いを制して優勝した。勝ちタイムは1:42:6。

 【Keiba.co.jp地方競馬総合サイト】 [サンケイスポーツ杯・東日本交流:水沢・ダート1600m:曇・良]

 レースは、10番人気の伏兵ケイアイランボー、昨年のこのレース2着、3着のゴールドレッグ、トキオパーフェクトによる先行争いからケイアイランボーがハナに立ち、2000年の東京記念を勝った古豪イナリコンコルドが好位につける展開。人気のタイキシェンロンは中団待機、2002年の南部杯(統一GI)2着馬バンケーティングは例によって後方からの競馬となる。

 向正面に入ると、後方にいたバンケーティングが捲り気味に進出してレースが動き始め、勝負所ではケイアイランボーが早くも一杯。ゴールドレッグがハナに立ち、これをバンケーティングトキオパーフェクトが追いかける形に。タイキシェンロンもジワッと進出し、これをマークするように水沢の金杯勝ち馬ウツミジョーダンも上がってくる。

 直線を向くと、トキオパーフェクトが脱落し、残る4頭の激しい叩き合いとなるが、最後はタイキシェンロンが力でねじ伏せ、3/4馬身差抜け出して優勝した。ゴール前大外から強襲したウツミジョーダンが2着、さらに1/2馬身差の3着にバンケーティングが入り、ゴール前力尽きたゴールドレッグは4着に終わった。

 以下、直線失速したトキオパーフェクトが5着、勝負所で置いていかれたイナリコンコルドが6着。みちのく大賞典2着馬シルクディヴァインは、ここは距離不足だったかハナを切れず、いいところなく7着。高崎から単騎遠征してきた昨年の東国賞勝ち馬サンクスメモリーは、中団追走も直線伸びず8着。今年JRAから岩手に移籍してきた1999年の新潟記念(GIII)勝ち馬ブリリアントロードは、後方儘の9着に終わった。

 勝ったタイキシェンロンは、父Fly So Free、母Princesse Niner(母父Forty Niner)という血統構成のアメリカ産馬で、馬主は甲斐利元氏。JRA高橋祥泰厩舎でデビューするも3戦して未勝利に終わり上山に転厩。しかしそこからは破竹の快進撃で、上山で3連勝し、転じた園田でも7連勝。その後、昨秋に岩手に移籍し、早池峰賞で待望の重賞初制覇。今期は、交流重賞に積極的に参戦し、黒船賞(統一GIII)で5着に入る一方、地元ではシアンモア記念、栗駒賞を快勝。地元の期待を集めた前走のクラスターカップ(統一GIII)では、JRA勢の壁が厚く5着にとどまっていた。

 タイキシェンロンは、やはり地元の短距離戦では一枚能力が上というところを見せた。ただ、ベストは1400mくらいで、1600mはギリギリという印象がある。クラスターカップに比べて遥かにメンバーも揃ってくるだろうことを考えると、本番の南部杯に向けては厳しいといわざるを得ないか。3着のバンケーティングは、全盛期の力を出せば全国級のものがあるはずだが、年齢的なことを考えると完全復活は難しいのかもしれない。2着のウツミジョーダンは、現状で全国級にはまだまだ力不足だが、伸び盛りの4歳だけに今後の成長に期待したいところだ。