2002年帝王賞(統一GI)優勝馬カネツフルーヴが現役引退へ―種牡馬入りを模索中

 【サンケイスポーツ】 2002年の帝王賞(統一GI)や昨年の川崎記念(統一GI)など、統一重賞4勝を挙げた活躍馬カネツフルーヴ(牡7歳)[山本正司厩舎(栗東)]が、前走の5月23日の東海S(GII)16着を最後に現役を引退することが濃厚になった。6月2日に新冠育成公社に放牧に出されており、今後の予定は未定とされているが、種牡馬入りに向けて関係者の間で協議が進んでいる模様だ。

 カネツフルーヴは、父が現役時代に1994年のアーリントンミリオン(米GI)、ワシントンDCインターナショナル(米GI)などGIを4勝したほか、1994年のジャパンカップ(国際GI)でマーベラスクラウンとハナ差の接戦を演じ、種牡馬としてもカネツフルーヴのほか、2000年のローズS(GII)勝ち馬ニホンピロスワン、2002年のフローラS(GII)勝ち馬ニシノハナグルマ、今年の中山金杯(GIII)勝ち馬アサカディフィートなどを出している名馬パラダイスクリークで、母は1989年の南関東牡馬クラシック三冠を制した歴史的名牝のロジータ(母父ミルジョージ)で、半兄に2002年の鳴尾記念(GIII)など重賞2勝のイブキガバメント、近親に2001年のJBCクラシック(統一GI)など統一GI3勝の名馬レギュラーメンバーがいる良血馬。

 旧3歳の12月にデビューし、3戦目で初勝利。旧4歳時はスプリングS(GII)で3着に入り皐月賞(GI)に出走も10着。旧4歳夏からはダートに主戦場を移し、条件戦で堅実な活躍を見せ、オープンに昇級した5歳の東海S(GII)で5着に入ると、続く帝王賞(統一GI)を6番人気ながら鮮やかに逃げ切って重賞初制覇をGIで飾った。6歳となった昨年は完全に本格化し、緒戦の川崎記念(統一GI)を快勝すると、フェブラリーS(GI)4着を挟んでダイオライト記念(統一GII)、オグリキャップ記念(統一GII)と連勝。帝王賞連覇に向けて順風満帆だったが、オグリキャップ記念の入線後に転倒して負傷。秋には復帰したものの、レース振りに精彩を欠いていた。

 種牡馬入りが実現すれば、パラダイスクリークの貴重な後継種牡馬として、また、名牝ロジータの血を引く種牡馬として、産駒の活躍を期待したいところだ。