[中央]第7回阪神ジャンプS(JGIII)|優勝:アズマビヨンド|父:ダンスインザダーク|生産:門別町・日高大洋牧場

 9月19日、阪神競馬場で行われた阪神ジャンプS(JGIII)は、2番人気のアズマビヨンド(牡6歳)[白浜雄造騎手、加用正厩舎(栗東)]が、道中4番手追走から直線伸びてゴール前で差し切って優勝した。勝ちタイムは3:31.4。

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 京都ジャンプS(JGIII)落馬以来の休み明けとなった父ウォーニング産駒のテイエムコンバットは、鞍上の西谷誠騎手が勝負所で早めに捲って抜け出す果敢な戦法で一旦は完全に抜け出したが、最後で脚が止まりゴール寸前1/2馬身差されての2着。新潟ジャンプS(JGIII)2着のマイネルユニバースが、さらに7馬身離されての3着。単勝1.4倍と圧倒的一番人気に推された石山繁騎手騎乗のフミノトキメキは落馬し、競走を中止した。

 勝ったアズマビヨンドは、父ダンスインザダーク、母フロムビヨンド(母父Kris)という血統構成。北海道・門別町日高大洋牧場の生産で、馬主は東哲次氏。2歳10月の京都開催でデビュー。4歳の3月に21戦2勝の成績で障害入りすると、2戦目で障害初勝利。昨年暮れの三木ホースランドJS、今年初戦の牛若丸ジャンプSと連勝するなど、オープンのレースで堅実な走りを見せていたが、重賞では今一つの成績が続いていた。

[盛岡]第20回ダービーグランプリ(統一GI)|優勝:カネヒキリ|父:フジキセキ|生産:早来町・ノーザンファーム

 9月19日、盛岡競馬場で行われたダービーグランプリ(統一GI)は、単勝元返しと圧倒的一番人気に推されたカネヒキリ(牡3歳)[武豊騎手、角居勝彦厩舎(栗東)]が、道中4番手追走から、直線抜け出して優勝した。勝ちタイムは2:03:8。

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 直線外から追いこんだ2番人気のサンライズバッカスが2 1/2馬身の2着。さらに7馬身離れた3着に3番人気ドンクールが入った。以下、4着コンゴウリキシオー、5着アグネスジェダイJRA勢が掲示板を独占した。

 勝ったカネヒキリは、父フジキセキ、母ライフアウトゼア(母父Deputy Minister)という血統構成。北海道・早来町ノーザンファームの生産で、馬主は金子真人ホールディングス(株)。初ダートとなったデビュー3戦目で初勝利を挙げると、続く500万も大差勝ち。毎日杯(GIII)7着を挟んだ端午Sも9馬身差で制し、ユニコーンS(GIII)で重賞初制覇を達成。前走のジャパンダートダービー(統一GI)では、単勝1.1倍の圧倒的一番人気に応えて4馬身差で完勝していた。

[金沢]第3回オータムスプリントカップ|優勝:ケンゴウザン|父:パークリージェント|生産:新冠町・的場牧場

 9月19日に金沢で行われた東海・北陸・近畿交流の短距離重賞、オータムスプリントカップは、単勝4番人気のケンゴウザン(牡6歳)[渡辺壮騎手、松原正文厩舎(金沢)]が、好位追走から4角手前で先頭に立ち、そのまま抜け出して優勝した。勝ちタイムは1:28:9。

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 昨秋にJRA未勝利から園田に移籍し、以降14戦8勝2着3回と好調の父トレジャーアイランド産駒の上がり馬イブキミーティアーが、道中最後方追走から直線一気に追い込んで3馬身差の2着。昨年のサラブレッドヤングチャンピオン勝ち馬で、百万石賞2着の父グランドオペラ産駒キタノオペラは、地元代表の期待を受けて2番人気に推され、中団追走から4角で前に取り付いたものの、直線伸びきれずに3着。園田から遠征してきたのじぎく賞2着の父マイネルラヴ産駒コスモプロムナードは、中団追走から伸びきれずに4着。読売レディス杯を勝ってここに臨み、単勝1.9倍と断然の一番人気に推された父パラダイスクリーク産駒ロイヤルセランガーは、スタートからハナを切ったものの、勝負所で一杯となり5着。

 以下、姫路チャレンジカップ5着の父シルヴァーエンディング産駒マイネルレがリアは、中団追走から流れ込みの6着。JRAからの移籍2戦目となったエイシンシャイアンは、後方侭の7着。笠松から遠征してきたくろゆり賞勝ち馬の父エブロス産駒オグリスキーは、果敢に先行したものの早々に一杯となり最下位の9着に沈んだ。

 勝ったケンゴウザンは、父が地方競馬のサイアーランキング上位の常連のパークリージェント、母がドリームファミリー、母の父が1982年の日本ダービー馬で、種牡馬としても1989年の菊花賞(GI)勝ち馬版ブー日銀らを輩出して成功したバンブーアトラス。全姉にJRA3勝のドリームシンデレラがいるという血統構成。的場均元騎手(現調教師)の実家としてお馴染みの北海道・新冠町の的場牧場の生産で、馬主は2002年、03年の金沢競馬の最優秀アラブとなったスーパーベルガーや、2003年、04年の金沢競馬の最優秀サラとなったホシオーなどで知られる畑中政雄氏。3歳の3月にJRA境征勝厩舎(美浦)からデビューし、5戦目で初勝利。デビュー以来11戦連続で掲示板を確保するなど、条件戦で堅実に活躍をしていたが、昨秋から6戦連続2桁着順になるなど頭打ちとなってきたため、この夏に金沢の松原正文厩舎に移籍。転入後はいきなり3連勝したが、重賞初挑戦となった前走のイヌワシ賞では人気を裏切る4着に終わり、ここに雪辱を期していた。

 ケンゴウザンは6歳にして待望の重賞初制覇。今回の相手関係や、JRA1000万下に在籍していた頃の成績から、さすがにホシオーほどの期待をかけるのは現状では酷と思われるが、父パークリージェントという血統から明らかに地方のダートは合っているはず。この勢いで金沢競馬を背負って立つ存在になってもらいたいものである。(文責:ま)